三豊市にある宝山湖の貯水率が、10月29日午前8時に100%へ戻った。水資源機構吉野川上流総合管理所が同日発表した。宝山湖は、吉野川水系の水事情が厳しくなった際に香川用水を補うための調整池で、今回の渇水では水道用水の確保を支える役割を担った。
早明浦ダムの貯水量が減少したことを受け、宝山湖から香川用水への補給は8月19日から延べ47日間続いた。香川県によると、宝山湖の貯水率は9月27日に33.9%まで下がっていた。そこから降雨などによって水位が回復し、今回、満水の状態に達したことになる。
完成後で最大の供給量
今回の渇水期間に宝山湖が送り出した水の総量は238万立方メートル。2009年の完成以来、同湖が供給した量として最大となった。用途は水道用水の補給で、家庭や事業所などに必要な水を確保するうえで、調整池の機能が実際に活用された形だ。
宝山湖の貯水率が大きく下がったことは、香川用水をめぐる水源の厳しさを示している。早明浦ダムの貯水率低下を背景に、香川では取水制限が段階的に実施され、8月には県が渇水対策本部を設けた。さらに、9月には発電用水を水道向けに回す緊急補給も行われたと、関連する報道で伝えられている。
満水化後も確認が必要な点
今回の発表で確認できるのは、宝山湖の貯水率が100%になったことと、これまでの供給実績である。宝山湖が満水になったことだけで、香川県内の取水制限がすべて解除されたと判断することはできない。早明浦ダムの貯水状況や今後の降水量、関係機関による運用方針によって、水利用をめぐる対応は変わる可能性があるためだ。
住民にとっては、調整池の回復が水源の一つに余裕を取り戻したという点で重要だ。ただし、水道の安定供給は単一の施設だけで決まるものではない。宝山湖は不足時の補完機能を担う施設であり、今回も長期間にわたって水を送り出した。貯水率が戻った後も、水源全体の状況と県や関係機関からの節水・取水に関する情報を確認する必要がある。
今回公表された主な内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 貯水率が100%になった時刻 | 10月29日午前8時 |
| 香川用水への補給期間 | 8月19日から延べ47日間 |
| 今回の供給総量 | 238万立方メートル |
| 貯水率の最低値 | 9月27日に33.9% |
| 施設の完成時期 | 2009年 |
水資源機構の発表と香川県の説明から読み取れる今回の経過は、次の通りだ。
- 早明浦ダムの貯水量が減少し、宝山湖から香川用水への補給が始まった。
- 宝山湖の水は47日間にわたり水道用水の補完に使われた。
- 同湖の貯水率は一時33.9%まで低下したが、10月29日に100%へ回復した。
- 供給量は完成後の記録上、最大の238万立方メートルとなった。
香川県は水源に乏しく、渇水時には複数の施設と関係機関の調整が水道用水を支える。今回の宝山湖の運用は、危機時に備えた調整池が実際の供給網の一部として機能した事例といえる。満水化は一つの節目だが、今後の水源状況や取水制限の変更については、県や水資源機構などの最新発表を確認することが、住民に求められる。