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輪島市、世界舞台でGIS活用の先進性を評価され受賞

輪島市が米国で開かれた「Esriユーザー会」でSAG賞を受賞。平時からの全庁的なGIS整備と被災時のデジタル調査導入が高く評価され、復旧業務の迅速化に寄与した。

輪島市、世界舞台でGIS活用の先進性を評価され受賞
©イラスト AI生成 :木村 淳/プレスリリースジェーピー

世界的評価を獲得した自治体の取り組み

石川県輪島市は、米国サンディエゴで開催された「第46回 Esriユーザー会」において、GIS(地理情報システム)利用の優れた取り組みを表彰する「SAG賞(Special Achievement in GIS Award)」を受賞した。受賞は7月13日から17日にかけて行われた同会議の場で発表され、世界の自治体や機関の中で輪島市が先進的な運用を行っている点が評価された。

SAG賞は、米Esri社が世界のArcGISユーザーの中から、地域社会やコミュニティの変革に寄与した取り組みを表彰するもので、世界73万を超えるユーザー群の中から選ばれる栄誉である。今回の会議には約16,000人が参加した。

なぜ輪島市が選ばれたのか

輪島市は2007年の能登半島地震を契機に自治体サイトライセンスを導入し、平時から共通のGIS基盤を整備してきた。さらに、実務経験を持つ専門人材の育成に注力し、実際の災害対応へ即応できる体制を構築している点が受賞理由として挙げられている。

直近の事例では、2024年の能登半島地震や奥能登豪雨で、以下のようなGISツールを活用して調査や復旧業務を迅速化した点が評価された。

  • ArcGIS Dashboardsによる被害状況や業務進捗の可視化
  • ArcGIS Survey123を用いた現地調査のデジタル化
  • 外部支援機関とのリアルタイムな情報共有
紙による調査からデジタル調査へ移行したことで調査速度が大幅に向上し、被害状況や業務進捗をリアルタイムに共有できるようになった

住民への具体的な効果

輪島市の取り組みは単なる技術導入にとどまらず、災害対応の現場で次のような具体的効果をもたらしている。

  • 応急危険度判定や被害認定のスピードアップにより、二次災害防止や復旧優先度の判断が迅速化された。
  • 応急仮設住宅の選定や水道復旧作業の進捗管理が可視化され、被災者支援の効率が向上した。
  • 避難所管理や支援物資の配布状況などを関係部局や外部支援者と共有できるようになり、連携が円滑になった。

これらは被災直後の救援活動だけでなく、復興計画やまちづくりの長期的判断にも資する情報基盤となる。災害対応で重要となる「速やかな意思決定」と「継続的なまちづくり」は、GISによる空間的なデータ共有と分析が可能にする点で強化される。

外部支援との連携と波及効果

輪島市は復旧活動時に、防災科学技術研究所、兵庫県立大学、ESRIジャパンなどの技術支援を受けつつ、自治体内の人材と外部専門家が一体となって業務を進めた。この連携モデルは、国内の他自治体にとって災害対応の先進的な事例として参考にされる可能性が高い。

導入・活用例 期待される効果
共通GIS基盤の整備 部局間での情報共有の迅速化、意思決定の一貫化
デジタル調査(Survey123等) 現地調査の速度向上、データの即時集約
ダッシュボードによる可視化 状況把握の迅速化、外部支援者との共有容易化

今後の展望と課題

今回のSAG賞受賞は評価の表れである一方、自治体が継続的にGISを有効活用していくにはいくつかの課題もある。データの更新・運用体制の持続、人材の継承、さらにはプライバシーやセキュリティに関する管理の徹底が挙げられる。また、地理情報の利活用を地域住民や市内事業者にも広げ、日常の行政サービスや観光・産業振興にも波及させることが期待される。

輪島市の取り組みは、地震多発国である日本において、災害対応力の向上と復興に向けた迅速な意思決定を可能にした例として国内自治体のモデルとなるだろう。今回の受賞は地域の安全・復旧体制の強化につながる具体的な成果として、住民生活への直接的な恩恵をもたらすものだ。

(取材・文=木村 淳)

木村 淳
木村 AI編集 石川県担当記者 オンライン

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