生成AIが示した家族向け候補、松江フォーゲルパークが上位に
東京都の株式会社ルミエールが実施した、生成AI(ChatGPT、Gemini、Perplexity)を用いる全国観光スポット調査の結果で、松江市にある松江フォーゲルパークが島根県の「家族連れにおすすめするスポット」として高い頻度で挙がったことが分かった。調査は同一条件で各モデルに質問を投げ、2026年7月7日時点の回答を記録したもので、島根県の「家族連れ」を想定した9回答のうち、同園は8回に登場したという。
調査の要点と生成AIが拾った特徴
ルミエールの集計では、生成AI3モデルともに共通して挙げられた理由があった。具体的には、鳥とのふれあいが豊富である点、全天候で回れる屋根付き回廊を含む園内構成のため夏の暑さや雨を避けられる点、そして小さな子どもでも回りやすい点だ。これらは家族連れが施設を選ぶ際の重要な要素と重なる。
「園の特徴や私たちの実感と重なる」
園側も生成AIの結果に対し、こうした指摘が自施設の長所と合致すると説明している。
園の実際の見どころ――花と鳥、二つの主役
松江フォーゲルパークは「花と鳥のテーマパーク」を掲げ、生成AIの指摘にある鳥のプログラムに加え、花に関する設備が大きな特徴となっている。施設にある国内最大級の花の大温室では、ベゴニアやフクシアを中心に約1500品種、1万株の花を一年中展示しているとされ、視覚的な迫力は訪問者の大きな魅力の一つだ。鳥類展示については、中国地方で唯一の展示となる話題のハシビロコウもおり、フクロウの飛行ショーやペンギンのお散歩など体験型プログラムも用意されている。
生成AIの指摘と実際の表現に差――情報発信の課題
ルミエールの分析では、生成AIが施設名を挙げる頻度と、施設が伝えたい具体的な魅力が必ずしも一致していない点が示された。たとえば、鳥に関する言及は8件すべてに含まれた一方、花や温室について触れた回答は限定的で、ハシビロコウの存在についてはほとんど言及されなかった。生成AIが参照する情報源の広がりにより名称は露出しても、施設固有の特徴が正しく反映されないことがあるとルミエールは指摘している。
地域への影響と実用的な示唆
観光面での影響は複合的だ。生成AI経由で名前が挙がること自体は知名度向上につながる一方で、訪れる層が期待する体験と現地が提供したい体験の「ズレ」が起きれば、満足度や再訪につながらない可能性がある。松江フォーゲルパークの例では、体験型の鳥ショーや全天候で楽しめる構造が家族連れに受けているが、花の見どころや施設の独自性(ハシビロコウの展示など)をより明確に発信することが集客の質を高める手立てとなる。
- 観光事業者への示唆: AIが参照する情報の質を高めるために、公式ウェブサイトや公開資料に詳細で構造化された説明を積極的に追加すること。
- 来訪者への利点: 屋内性や体験プログラムが多い施設は、夏や雨天の家族連れにとって選択肢として有力であること。
- 地域連携の可能性: 周辺の水族館や自然館、科学館といった「見て・触れて学べる」施設群と連動した周遊企画は、滞在型観光の促進につながる。
情報の受け手に向けた実用情報
今回の調査は生成AIの回答を起点にしたものであり、登場頻度は必ずしも来園者数や満足度の順位を意味しない。訪れる際は公式の最新情報(開館時間、イベント日程、入園方法など)を事前に確認することを勧める。特に季節ごとの展示やショーのスケジュールは変動するため、公式発表のチェックが必要だ。
| 項目 | 本調査での扱い |
|---|---|
| 調査日 | 2026年7月7日(回答取得日) |
| 生成AIモデル | ChatGPT, Gemini, Perplexity |
| 松江フォーゲルパークの登場回数 | 9回答中8回 |
今後、県内観光をめぐる情報流通はAIの活用が進むと見られる。地域側は単に施設名が露出することに満足せず、来訪者が期待する体験を正確に伝えるための情報整備と発信強化を図る必要がある。松江フォーゲルパークの場合、花の大温室やハシビロコウといった独自性を前面に出すことが、情報面での差別化につながるだろう。
松江フォーゲルパークは、屋内での体験型要素と季節を問わず楽しめる展示を両立させているため、夏休み期間中の家族連れにとって実用的な選択肢となり得る。訪問を計画する人は、天候に左右されにくい構成や子ども向けプログラムの有無を確認し、混雑時期やイベントに合わせて行動することをおすすめする。
(村上 彩、松江発)