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ダナン市のスマートキオスクが行政手続きを短縮、試行で200件超処理

ベトナム・ダナン市がアグリバンクと連携し市内11カ所に導入したスマートキオスク(デジタル公共サービスステーション)は、運用開始から約2週間で200件以上の申請処理を行い、住民の待ち時間削減と職員負担軽減につながっている。

ダナン市のスマートキオスクが行政手続きを短縮、試行で200件超処理
©イラスト AI生成 :山崎 健司/プレスリリースジェーピー

ダナン市での導入状況と利用者の反応

ベトナム中部の都市ダナンで、デジタル公共サービスステーション(スマートキオスク)の試験運用が進んでいる。ダナン市人民委員会とベトナム農業農村開発銀行(アグリバンク)の協力で市内11か所に設置されたこのモデルは、運用開始から約2週間で200件以上の申請を処理し、住民と行政双方に効果を示している。

アンケー区の公共行政サービスセンターに設置されたキオスクには、案内役の支援を受けながら端末で書類をスキャンし、申請手続きを完了する市民の姿が見られる。従来の整理券を取り列に並ぶ方式に代わり、機器上で直接手続きが完了することが利用の主流になっている。

現場の声と具体的効果

導入現場で手続きを体験した市民の一人、グエン・チュン・ギア氏は、テクノロジーに不慣れで当初は躊躇したが、案内を受けてからは「ほんの数分」で手続きが終わったと語る。アンケー区人民委員会のゴ・ゴック・ハウ委員長は、区の行政サービスセンターが毎日数百件の申請を処理している点を挙げ、キオスク導入を「住民へのサービス効率を向上させる現実的な解決策」と位置づけた。

「書類のスキャン、申請書の提出、システム上での手続き完了まで、ほんの数分しかかかりませんでした。」

ハウ委員長はこの取り組みが中央政府とダナン市の科学技術・イノベーション政策の具体的実行であり、国家人口データベースの活用を最大化することにもつながると説明している。また、最新の認証技術を行政取引と銀行サービスに統合することで、職員の業務負担を軽減し、文書の誤りリスクを低減できると述べた。

機能と運用体制

スマートキオスクはICチップ内蔵の市民IDカードを用いた電子本人確認、オンライン申請、手続き進捗の確認、法的効力を持つ電子文書のデジタルコピー発行などの機能を備える。アグリバンクの支援により、キャッシュレス決済機能も統合されており、公共料金の支払いや基本的な金融取引が端末で迅速かつ安全に行える。

  • 本人確認:ICチップ内蔵市民IDカードによる電子認証
  • 申請手続き:端末上でのフォーム入力と書類スキャン
  • 電子文書の発行:法的効力を持つデジタルコピーの取得
  • 決済機能:キャッシュレス決済の統合(アグリバンク支援)
  • サポート体制:職員、青年組合員、地域デジタル技術チームが常駐

アンケー区では特に高齢者やデジタル操作に不慣れな市民に対して指導・支援を行い、デジタル化の過程で「誰も取り残されない」ように運用する方針を掲げている。

導入拠点(試験導入の11カ所)

試験導入された拠点は以下の通り。市の公共行政サービスセンターに加え、以下のコミューン・区が含まれる。

導入拠点数11カ所
  • ハイチャウ区
  • ホアクオン区
  • カムレ区
  • グーハインソン区
  • アンケー区
  • アンハイ区
  • タムキー区
  • フオンチャコミューン
  • ヌイタインコミューン
  • タンアンコミューン
  • 市の公共行政サービスセンター

背景と政策的意義

このスマートキオスク導入は、ダナン市のデジタル変革ロードマップと国家プロジェクト06(国家人口データベースの活用など)と整合する取り組みだ。紙ベースから電子データへの移行は単なる効率化に留まらず、行政サービスの提供手法そのものを「行う側が提供する」から「市民が自ら利用できる」形へと転換させることを目的としている。

タムキー区のブイ・タン・コン副委員長は、このソリューションがサービス提供の考え方を変えると評価している。自治体が持つ市民データベースと認証技術、金融サービスを組み合わせることで、ローカルレベルの“ミニデジタルエコシステム”が形成される点が注目される。

他都市・他国への示唆とリスク

今回の試験運用が示す主な示唆は次の通りだ。

  • 市民の利便性向上:待ち時間削減と移動コスト低減。
  • 行政の効率化:職員の業務負担軽減とエラー削減。
  • 金融包摂の促進:キャッシュレス機能により基礎金融サービスへアクセスしやすくなる。

一方で、拡大導入に際しては次のような課題もある。

  • デジタルデバイド:高齢者や操作に不慣れな層への支援継続が必須。
  • セキュリティ/プライバシー:個人情報や認証データの安全管理。
  • 運用コストと保守:ハードウェア・ソフトウェアの維持管理体制。

運用スケジュールと今後の見通し

関係者はまず試験モデルの運用・効果の最大化に注力する方針で、アンケー区は職員と地域技術チームを常駐させながら高齢者支援などを強化する計画だ。導入の公的な開始式は2026年6月19日に執り行われている。

市民向け手続きの流れ(端末利用時の一般的な手順)

  • 1. 案内スタッフの受付(必要があれば補助を受ける)
  • 2. 市民IDのICチップで電子本人確認
  • 3. 書類のスキャンおよび申請フォームの入力
  • 4. 申請内容のシステム上での確認と送信
  • 5. 必要に応じてキャッシュレスで料金支払い
  • 6. 法的効力を持つ電子文書のデジタルコピーを受領

ダナンの事例は、地方自治体が民間金融機関と連携して公共サービスをデジタル化するモデルケースとして国内外の関係者の注目を集めるだろう。今後は試験結果を踏まえた改善点の洗い出しと、セキュリティ・利用者支援の強化が拡大成功の鍵となる。

(要点)運用開始から約2週間で200件超の申請処理、市内11か所での試験導入、ICカード認証と電子文書発行、アグリバンクによる決済支援、地域住民向け支援体制の常駐という構成で進められている。

山崎 健司
山崎 AI編集 サービス担当記者 オンライン

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