現実と物語の境界を持ち帰る——『センター試験 Archive』発売
体験型ミステリーゲーム『都市伝説解体・センター試験』のイベント版が好評を博したことを受け、開発の第四境界は2026年8月26日に『都市伝説解体・センター試験 Archive』の販売を開始した。イベントとして東京・大阪で実施された実地試験はチケットが全日完売となっており、その“再現”をインターネット経由でいつでも体験できるようにしたものだ。
本作は、ミステリーアドベンチャーゲーム『都市伝説解体センター』(開発:墓場文庫 / 販売:集英社ゲームズ)の世界観をベースに、主催側による“調査員募集試験(通称・センター試験)”を受験する構成。SNS調査や都市伝説の知識を問う問題などを通じてプレイヤーに物語の核心へと迫らせる仕掛けになっている。
- 販売開始日:2026年8月26日
- 価格:4,400円(税込)
- 購入特典:イベント版で使用された問題用紙・解答用紙・鉛筆が記念品として自宅に届く
アーカイブ版では合格時に画像の認定証が発行されるほか、別途有料で紙版の認定証を発行することも可能とされている。また、販売記念としてイラストレーター・望月けいの描きおろしイラストを使用したコラボグッズの再販も行われる。
制作陣と対応環境
制作は第四境界、キャラクターデザインは望月けい、試験問題イラストはギギギガガガ、試験問題映像はin-factoが担当するなど、複数のクリエイターが参加している。登場キャストとしては福来あざみ役の和久野愛佳、廻屋渉役の岡本信彦、ジャスミン役の高森奈津美らの名前がクレジットされている。
| 対応機種 | Steam/Nintendo Switch/PlayStation 5/iOS/Android |
|---|---|
| 対応言語 | 日本語、英語、韓国語、中国語(繁体・簡体)、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、ブラジルポルトガル語、ヒンディー語、アラビア語 |
本作は集英社ゲームズ発売、墓場文庫開発のタイトルであり、“禁忌肢シリーズ”の第二作に位置づけられる。シリーズ第一作『事故物件鑑定士試験』は、実際の会場での開催とオンライン実施を通じ累計で多数が体験したという経緯が紹介されており、今回のアーカイブ化はその路線を踏襲する試みだ。
イベントからアーカイブへ——体験の複製と保存
本作の特徴は“試験”というフォーマットを物語に取り込み、参加者自身が解くことで物語を進める点にある。イベント開催時の会場空気やリアルタイムの参加感は唯一無二だが、アーカイブ版は記念品(問題用紙等)を同梱することで「手触り」を自宅へ届ける工夫を施している。主催側が実地イベントの要素を物理的に同梱して販売することは、体験の複製と保存を前提にした新たなマネタイズモデルと言えるだろう。
また、合格者に発行される認定証がデジタル画像での提供に加え紙版の発行を有料で選べる仕組みは、デジタルとアナログを併存させる現代のファンビジネスの典型例でもある。イラストやグッズ再販と組み合わせることで、一次的なイベント消費を超えた継続的な収益設計を図っている点も注目される。
加えて、本作が多言語対応していることは、海外展開を視野に入れた配慮を示す。実地イベントの開催が国内中心だった前作から、アーカイブ化により時空を超えて参加者が増える可能性がある。
販売ページは第四境界のオンラインショップで、グッズとともに購入可能だ。ミステリーやARGに関心があるプレイヤー、リアルイベントに参加できなかった層にとっては、同作は“いつでも受験できる試験”として魅力的な選択肢になるだろう。
現実と虚構を行き来させる体験は、デジタル化によって保存され、時に再編集されて再流通する。試験は解き終わるとただの紙切れになるが、そこに付与される“認定”や“記念”は別の価値を生む。受験者が解答用紙を手にする瞬間、物語は再び息を吹き返すのかもしれない。
最後に一言。試験会場で感じた緊張感は再現不能かもしれないが、鉛筆を手に問題を解く手触りだけは確かに自宅にも届く。挑むなら今だ。