沼津市内の中小企業や経営者、管理職を対象としたハラスメント防止とメンタルヘルス対策のセミナーが、9月9日にプラサヴェルデ(大手町)で行われる。主催は、木村昌宏税理士・社労士事務所と総合診療産業医事務所の業務連携を記念したもので、参加は無料だが定員が先着15人に限られている。
セミナーの目的と背景
開催の背景には、2026年10月から施行される予定の法改正がある。これにより、カスタマーハラスメント(いわゆる「カスハラ」)や求職者に対するセクシュアルハラスメントの防止措置が、全ての企業に義務付けられることになっている。このため、どのように職場規定や対応フローを整備するか、現場での具体的対応は何かといった点で企業側に課題が生じている。
主催者側は、法改正を前に実務的な対応を習得する場として本セミナーを企画した。企業からは「何を優先すべきか分からない」「自社の対策が十分か不安だ」といった声が寄せられているという。
講演構成と登壇者
当日は2部構成で、法務・制度面を担当する社会保険労務士と、医療・現場対応面を担当する産業医の両面から解説が行われる。
- 第1部:社会保険労務士・三ツ谷歩氏(木村昌宏税理士・社労士事務所)による「カスハラ対策の義務化と企業が取るべきハラスメント対応」。規定やマニュアル整備、発生時の現場対応などを中心に解説する。
- 第2部:産業・労働衛生コンサルタント・山本真輝氏(総合診療産業医事務所)による「経営者・管理職のためのメンタルヘルス不調対策」。予防策や休職・離職を防ぐ対応について臨床と労働衛生の視点から紹介する。
| 日時 | 9月9日 18時30分〜19時45分 |
|---|---|
| 会場 | プラサヴェルデ(沼津市大手町) |
| 定員 | 先着15人 |
| 参加費 | 無料 |
| 申込締切 | 9月4日(先着順) |
企業・職場への影響と実務上の留意点
法改正により、企業は単に規定を整備するだけでなく、現場で発生した事案に即応できる体制の構築が求められる。具体的には相談窓口の設置、対応マニュアルの整備、管理職への研修、被害者救済と加害者対応の両面を見据えた手順作りが必要だ。とくに中小企業では人事・労務の専任がいないケースも多く、外部の専門家と連携することが現実的な選択肢となる。
また、メンタルヘルス対策を軽視すると、休職や離職につながり得る。登壇する産業医は、ハラスメント対応の遅れやメンタル不調の放置が生産性低下という経営リスクにつながる点を指摘している。経営者は労務管理と健康管理を一体的にとらえ、早期発見・早期対応の仕組みを整える必要がある。
「ハラスメント対応の遅れやメンタルヘルス不調による休職・離職は、企業にとって生産性の低下にもつながる経営リスク」と山本氏は述べている。
セミナーは75分に凝縮された構成で、実務にすぐ生かせるポイントを短時間で学べる場となっている。時間の限られる経営者や管理職にとって、主要な論点を整理して導入計画に落とし込む上で有用だ。
参加を検討する事業者への実用情報
参加を検討する事業者は、以下の点を事前に整理しておくと当日の学びを実務に結びつけやすい。
- 自社の現行ルール(就業規則、相談窓口、懲戒規定など)を確認しておく。
- ハラスメント事例や相談対応のフローが文書化されているかを点検する。
- 直近で休職や離職が発生している部署があれば、その状況と対応履歴を整理しておく。
当日は定員が限られるため、早めの申し込みが望ましい。申し込み締切は9月4日で、先着順で受け付けるとしている。
今回のセミナーは、法改正の施行を控えた実務対応の入り口として位置付けられる。沼津地域の中小企業や店舗など、日々顧客対応や採用に携わる事業者にとって、義務化に伴う対応方針を早期に固めるための貴重な機会となるだろう。