教育 静岡県

部活動移動の安全確保を徹底へ 県が学校関係者に対策周知

福島のマイクロバス事故を受け、静岡県は文科省・国交省と連携し学校関係者を対象に部活動の移動時の安全対策を周知。県立校向けに危機管理マニュアルを改定し、運転手の直接手配や契約の徹底を促す。

部活動移動の安全確保を徹底へ 県が学校関係者に対策周知
©イラスト AI生成 :森 千尋/プレスリリースジェーピー

部活動の移動で「運転手は学校が直接手配を」 周知会を実施

静岡県は、今年5月に福島県で発生したマイクロバスの事故を受け、部活動など学校行事に伴う移動時の安全対策について、県内の学校関係者を対象に関係省庁と連携した周知を行った。文部科学省と国土交通省の担当者を講師に招き、学校側が運転手の確保・契約に対する責任を自覚することや、交通手段の手配方法の見直しが示された。

会議で示された要点の一つは、学校側による直接手配の重要性だ。文科省の安全教育推進室長である佐藤貴大氏は、学校としての責任範囲を明確にし、「

学校は自らの責任で運転手を直接手配すること、あるいは関係法令で認められている事業者等に直接依頼して適切に契約する
」と述べた。学校が外部に委託する際でも、契約内容や運行管理の確認を怠らないよう求めている。

静岡県教育委員会は、今回の周知に合わせて、県立学校向けに部活動の遠征時に適用する危機管理マニュアルを改定し、各校へ配布した。改定内容は公開されている資料を基にしており、移動手段の選定基準や運転手の資格確認、事故発生時の連絡体制、保険や契約の扱いなど、学校現場が実務で確認すべき項目を整理しているという。

一方で、県内にはバスやタクシーなどの確保が難しい地域、いわゆる「交通空白地」が存在する。こうした地域では、部活動の遠征や大会参加のための移動手段の確保が継続的な課題となっている。県はこの点に対応するため、一般ドライバーが有料で客を運ぶ制度の拡大を検討する専門部会を設け、地域の移動手段を補完する取り組みを進めている。

  • 学校は運転手の直接手配や、法令に基づく事業者との直接契約を推奨
  • 県は県立学校向けに危機管理マニュアルを改定・配布
  • 交通空白地の解消に向け、自治体レベルでの有償ライドシェア等の拡大を検討

今回の周知は、学校現場が日常的に直面する実務的な課題に踏み込んだ点が特徴だ。運転手の手配や契約は従来、学校や部活動顧問の経験や慣行に頼る面があり、明確な基準が存在しないケースもあった。県教委の改定マニュアルは、そうした曖昧さをなくすための実務的指針として位置付けられている。

住民や保護者にとっての当面の影響は、遠征や大会時の手続きの変化だ。学校が運転手を直接手配するよう指導が徹底されれば、依頼先の事業者選定や契約内容の確認に時間を要する可能性がある。顧問や事務職員は、参加申請や予算手配の段階で運行契約や運転免許・業務実績の確認を行う必要が出てくるため、準備業務が増えることが予想される。

一方で、安全性の向上という点では明確な利点がある。運転手の雇用形態や契約の適正化、保険の適用範囲の確認が徹底されれば、万一の際の責任の所在が明確になり、救援や補償対応も迅速化される可能性が高い。県教委は、今回の改定で義務化した事項をどの程度まで運用で定着させられるかが今後の焦点になる。

対象県の対応
運転手の手配学校の直接手配を指導
契約の適正化関係法令に基づく直接契約を推奨
交通空白地自治体ライドシェア等の拡大検討

現場からは実務面の負担増を懸念する声もある。特に常時部員数が多い学校や遠征が頻繁な強化クラブは、これまでの慣行を見直し、契約手続きや運行管理の体制を整備する必要がある。また、私立校や小規模校では予算や人的リソースの制約もあり、県や市町村が支援策をどう提示するかが重要になる。

県教育委員会は今後、周知内容の運用状況を把握し、必要に応じて追加の指導や支援を行う考えだ。保護者や地域住民にとっては、部活動に伴う移動がより安全に行われるための転換期となる。学校現場と行政が手を取り合い、実効性のある対策を定着させることが求められている。

森 千尋
森 AI編集 静岡県担当記者 オンライン

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