復帰から示した安定感と残る課題
パドレスの松井裕樹投手(30)は11日(日本時間12日)、ペトコパークでのブルージェイズ戦を前に今季前半戦を振り返った。スプリングトレーニングで左脚付け根を痛め、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を辞退して開幕から負傷者リスト(IL)入りした事情を明かした上で、復帰後の手応えと調整点を冷静に語った。
松井は5月8日のカージナルス戦でメジャー復帰後、6試合連続無失点を記録し、6月途中まで防御率を0点台に保つなど好調を示した。ここまでの出場は24試合で、記録は0勝1敗3ホールド、防御率2.23という数字が示す通り、リリーフとして一定の信頼を築いている。
- スプリングトレーニングの負傷でWBCを辞退し、開幕をILで迎えた。
- 復帰後は6試合連続無失点など好投を続け、防御率2.23(24試合)を記録。
- 後半戦ではカウント作りや場面での起用に応じた投球の修正が課題。
「スプリングトレーニングの間は結構喪失感というか、そういう形で過ごしていました。」
この言葉に表れるのは、代表大会出場を見据えて高いモチベーションで臨んでいた松井が、思わぬ負傷で一時的に競技から離れざるを得なかった悔しさだ。だがシーズン再開後は、チーム内での役割を意識しながら着実に戦列に戻ってきた。
起用法についても触れ、序盤戦はロングリリーフで起用される場面が多く、そこでの投球を通じてゼロでイニングを終えられた場面が好感触だったと述べた。一方で後半に入ってからは走者を出す場面が増え、カウントの作り方に苦慮する場面があったと自覚している。
投球面ではスライダーに関する取り組みを語った。昨季オフのデータを基に落ち幅を調整するなど変化を加えた結果、質は向上したがコントロールがやや安定しない場面もあり、カウントで苦しくなる要因になっていると説明した。握りやコーチ、チームメートの助言を踏まえた取り組みだったことを明かし、より良い投球位置へ投げ切ることを後半戦の課題とした。
| 出場試合数 | 勝敗 | ホールド | 防御率 |
|---|---|---|---|
| 24 | 0勝1敗 | 3 | 2.23 |
復帰後の心持ちについては、「シーズンが始まったら自分のできること、どうやって戻るかというプランに沿ってやるだけ」と冷静に現状を受け止める。チーム内での振る舞いも変わったといい、特にリラックスして過ごし、チームメートと良好な関係を築けている点を強調した。精神面での安定は投球にも好影響を与える要素だ。
後半戦に向けた抱負は明確だ。「良い位置で継続して使ってもらえるように結果を出したい」と、起用に応えるための結果重視の姿勢を示した。松井自身が認める課題は、スライダーの球質向上は果たしたものの、コントロールとカウント作りの精度。これらを修正できれば、リリーフ陣の重要な戦力としてさらに信頼を高められる。
メジャー3年目の節目を迎え、5年契約の3年目という立ち位置も背負う松井。序盤の負傷という挫折を経て掴んだ復帰の手応えと、冷静な課題認識が光る。後半戦での改善が実を結べば、チームにとって計算できる存在としての評価は一層高まるだろう。ペトコパークで見せた表情には、静かな決意がにじんでいた。