町田市は、スマートフォンで撮影したごみの写真をメッセージアプリ「LINE」を通じて送信すると、AIが分別方法を判定するごみ分別支援システムの実証実験を8月から始める。市は市民の分別精度を高めるとともに、出し方に関する問い合わせの抑制を図る狙いだ。実証は産学官連携で行われ、段階的に一般公開へ移行する予定である。
システムの機能と利用方法
システムは市の公式LINEアカウントを「友だち登録」して利用する。主な機能は以下の通りだ:
- 写真判定:スマートフォンで撮影したごみの画像を送ると、AIが分別区分を判定する。
- 周辺情報検索:ごみ収集袋の販売店や回収場所を地図で検索できる。
- 地区別収集カレンダー:自分の地区の収集日程を参照できる。
- 多言語対応:20カ国語に対応し、外国語話者にも利用しやすい設計を目指す。
- 災害モード:災害時には仮のごみ置き場の検索などに切り替え可能とする機能を備える。
また、分別に関する学びを継続させる目的で、クイズ形式でポイントが付与される「ゲーミフィケーション」機能を導入する予定で、環境イベントの特典と連動する案も検討しているという。
実施体制とスケジュール
この実証実験は、国立大学法人電気通信大学(調布市)と、AIシステム開発に携わるBorzoi AI株式会社(千代田区)との産学官連携事業として行われる。市民から成る「ごみ減量サポーター」約200人が8月から試験運用へ参加し、実際の利用者の意見を反映した上で10月から一般公開する計画だ。
市環境資源部の担当者は「市民がごみの分別を楽しく継続できるものにしたいと考えている。環境イベントの特典との連動も検討しているところ」と話している。
並行して、市はごみ収集業務のデジタル化にも取り組む。委託業者の収集車にタブレットとスマートフォンを搭載し、GPSで走行状況を市がリアルタイムに把握できる体制を構築する。市はこの仕組みで、収集車到着の遅れに関する問い合わせに即時対応することや、熟練作業員のノウハウをデータ化して新人育成に生かすことを目指している。こちらの効果検証は2027年3月末まで行う予定だ。
導入の背景と住民への影響
今回の取り組みの背景には、分別の厳格化に伴う市職員への問い合わせ増がある。市内では今年4月から容器包装プラスチックの分別収集・資源化を全域で始めたが、出し方に関する問い合わせは4月に前年度のおよそ2倍となる約1400件に達した。収集時間に関する問い合わせも約400件から約1200件と3倍に膨らんでおり、市の業務負担増が顕著になっている。
市が導入を目指すシステムは、こうした問い合わせを抑制すると同時に、市民の分別精度を上げることでごみの適正処理と資源化の推進を狙う。実際に使える情報が手元に届くことで、出し間違いによる収集拒否や資源化の妨げを減らせる可能性がある。特に多言語対応は、外国にルーツを持つ住民や観光客にとって分かりやすい案内となる。
住民が知っておくべき実用情報
現段階で確実な点は以下の通りだ:
- 利用開始は市公式LINEの「友だち登録」が必要で、試験運用は8月から始まる。
- 約200人の「ごみ減量サポーター」による試験運用を経て、10月から一般公開する計画である。
- 多言語対応(20カ国語)や災害時に切り替えられる「災害モード」を備える予定だ。
住民はまず市の公式発表やLINEアカウントの案内を確認し、友だち登録しておくことで試験期間中に参加やフィードバックを行うことができる。分別クイズのポイント制度に関心がある団体や地域活動の担当者は、今後の連動プランに注目するとよいだろう。
一方で、導入にあたっては精度や誤判定時の対応、個人情報や画像データの取り扱いなど、運用面での注意点もある。市は実証の過程でこれらの課題を確認し、サービス公開時に運用ルールやプライバシー保護の方針を明確にする必要がある。
町田市の取り組みは、自治体ごとの分別ルールが細分化する中で住民負担と行政負担をどう軽減するかを探る試金石になる。市民が利用しやすい形に整備されれば、日常の分別が確実になり、資源化の促進とごみ処理の効率化に寄与すると期待される。今後の実証結果と市の運用方針に住民の関心が集まる。