関西圏を意識した誘客策を説明
石川県は6月26日、大阪市内でマスコミを対象としたプレスミーティングを開催し、県内8団体がそれぞれ観光の見どころや最新情報を発表した。冒頭のあいさつで戒田由香里・文化スポーツ部長は、北陸新幹線敦賀開業から2年が経過し、移動の環境が変化したことを指摘。特に関西圏からの入り込みが厳しい状況が続いているとして、今回の大阪での発信を通じて来訪者の回復を目指す考えを示した。
「北陸新幹線敦賀開業以降、移動の選択肢が変わっている。関西からの誘客を改めて強化したい」
会場では、志賀町や七尾市、白山市、小松市などから観光協会やDMO、県の里山振興室らが参加。地域ごとの季節行事や体験プログラム、宿泊商品、インフラ面の魅力を具体的に紹介し、報道関係者との意見交換を行った。
注目ポイントと今後の観光施策
- 県は能登地震からの復旧支援として実施している団体旅行応援キャンペーンを、当初の7月までを予定していたものを延長し、今年9月から来年3月まで継続すると発表した。
- 能登地域ではトキの放鳥(羽咋市で本州初の放鳥の実績)の取り組みを継続、秋には中能登町で2回目の放鳥を予定しているなど、自然資源を生かした体験プログラムを強調した。
- 能登島や西能登の祭り・食文化、白山市のホワイトロード周遊ツアー、九谷焼の宿泊体験など、地域ごとの観光資源を活用した滞在型商品を増やす方針が示された。
参加団体の主な発表内容は以下の通り。
| 団体 | 主な訴求点 | 時期・備考 |
|---|---|---|
| 県里山振興室 | 能登の里山里海の保全とスローツーリズム、トキの放鳥活動 | 5月に放鳥実施、9月に第2回放鳥予定 |
| 七尾市(ななお・なかのとDMO) | 能登島の火祭り、アオリイカの食文化 | 火祭り:7月25日(予定) |
| 志賀町・門前町観光協会 | 西能登の周遊モデル「サンセット コースト ニシノト」 | 日帰り中心、宿泊プラン検討中 |
| 白山市観光連盟 | ホワイトロード開通50周年関連企画、周遊バスツアー | 来年50周年に向けたプロモーション |
| 能美市観光物産協会 | 九谷焼を主題にした宿泊体験施設の紹介 | 常設施設と観光連携 |
| 小松市 | 安宅の関のリニューアル(無料入館)で気軽な史跡観光を提案 | 4月リニューアル済 |
| 加賀料理技術保存会 | 加賀料理の定期催事やフォーラム | 8月・10月の催しを予定 |
| 石川県観光連盟 | のと里山空港をポケモン企画で期間限定リニューアル | 7月7日開始、29年9月まで(期間限定) |
住民と観光事業者への影響
今回の発表は、県内の観光事業者や宿泊業にとって直接的な追い風となる見込みだ。団体旅行応援キャンペーンの延長は、自治体や観光事業者が団体受け入れのプランを組み直す際の予算根拠となり、研修・受け入れ体制の整備、送迎や体験プログラムの継続的な提供につながる可能性がある。一方で、関西圏の旅行需要が短期に回復するかは未確定であり、プロモーションの効果を高めるためには、交通アクセス改善や商品化の迅速化が求められる。
具体的には次の点が今後の注目事項となる。
- 関西方面からのアクセス改善(交通連携・割引など)や、関西での継続的なプロモーション展開の有無。
- 団体旅行支援の公表条件と支援額の詳細、事業者が利用する際の手続きの簡素化。
- 自然・文化資源を活かした滞在型プログラムの質と、宿泊施設の受け入れ体制強化。
観光業界関係者は、今回の大阪での発信を単発で終わらせず、関西市場に合わせた商品開発と販売促進を継続することが重要だと指摘する。県としても、地域間での連携と観光資源の磨き上げ、訪問者の満足度向上に向けた支援の両輪を進める必要がある。
プレスミーティングの情報は、報道関係者向けの発表内容に基づくもので、今後公表される詳細な補助要綱やスケジュールは県の公式発表を確認することが望ましい。観光事業者や旅行業者、地域の受け入れ側は、延長されたキャンペーンに合わせた受け入れ準備や商品の改良を急ぐことが、夏秋シーズンの需要回復につながると見られる。
(石川県担当記者・木村 淳)