高松でマッチングイベント、県内の逼迫した人手需要に対応
香川県内の中小企業や介護事業所が必要とする外国人材を呼び込もうと、7月上旬に高松市のサンポートでインドネシアの送り出し機関と県内の受け入れ側をつなぐマッチングイベントが開かれた。主催したのは県内の経済団体で、介護、加工業、建設分野を中心に企業側の具体的なニーズとインドネシア側の技能や資格を照合する場となった。
イベントには企業や自治体関係者のほか、通訳や人材支援を行う団体が出展。ブースでは業務内容の説明に加え、現場で求められる日本語レベルや資格の有無、就労までの手続きや生活支援の体制などが丁寧に確認された。参加者からは「実務経験のある人材を求めている」「長期的に職場に定着してほしい」といった率直な声が出たという。
香川県中小企業団体中央会の古川康造会長は「本当に切実な問題の人材不足、これをやはり補う一つの大切な作業になってくるので、良い人材をどんどん迎え入れたい」と述べ、受け入れ拡大への期待を示した。
香川県に在住するインドネシア人は2025年12月時点で約4,600人に達し、2年前の水準の2倍以上に増加したとされる。県内の就業需要と合わせ、今後さらに増える可能性がある一方で、言語や生活習慣の違い、受け入れ側の受け入れ体制整備など課題も残る。
地域産業への影響と課題
県内の中小製造業や建設現場、介護施設は人手不足が顕在化しており、即戦力となる外国人材は短期的な解決策として有効だ。特に高齢化が進む地方では介護職の確保が喫緊の課題であり、安定した人員確保はサービスの維持に直結する。
- 介護分野:夜勤や通所サービスなど人手のかかる業務の担い手確保に直結
- 建設・加工業:技能実習や特定技能での受け入れが生産性維持に寄与
- 地域社会:多文化共生の取り組みや生活支援の仕組み整備が必要
一方で、受け入れの現場では日本語運用能力や資格の有無、労務管理や住宅の手配、子育てや医療といった生活支援面の整備が求められる。特に中小事業者にとっては、採用後の日本語研修や生活立ち上げ支援にかかるコストが負担となる場合があると指摘されている。
制度面と実務支援の重要性
インドネシア人材の受け入れは、送り出し国とのルール整備や日本側の受け入れ枠、在留資格に関する正確な運用が前提となる。香川県は既に日本語研修費用などの補助制度を設ける自治体や団体もあり、研修や生活支援の費用補助が受け入れ側の障壁を下げる効果が期待されている。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 香川県在住のインドネシア人(2025年12月) | 約4,600人 |
| 過去2年間の増加比 | 約2倍以上 |
県内での受け入れ拡大を進めるにあたり、次の点が実務面での焦点となる。
- 雇用契約と労働条件の透明化:外国人労働者の権利保護を担保する仕組み
- 日本語と職業技能の研修:即戦力化と職場定着を促す教育体制
- 生活支援ネットワーク:住居、医療、子育てに関する地域連携
地域社会の受け入れと長期的視点
短期の労働力確保だけでなく、長期にわたる定着を図ることが地域にとっての利益につながる。地域社会としては、言語支援や多文化理解の促進、地域ぐるみの生活支援が必要だ。学校や医療機関、行政窓口での多言語案内の整備、地域住民を巻き込んだ交流機会の創出が定着率を高める。
香川県は観光・農林水産・製造業など多様な地域資源を持つが、これらの産業を支える労働力の確保は今後の成長に直結する。今回のマッチングイベントは、人材需要と供給をつなぐ一歩であり、関係機関の連携や受け入れ環境の整備が続くかどうかが、実効性を左右する。
県内の事業者は引き続き、外国人材を受け入れるための準備と対応力を高める必要がある。受け入れ側の体制が整えば、地元の雇用維持やサービス提供の安定につながり、地域経済全体の持続性にも寄与するだろう。
(取材・藤井 一郎)