供給量60%削減、県民に節水の協力求める
香川県を流れる主要な農業・生活用水の供給路である香川用水への送水量を、8月28日から60%削減する第4次取水制限が始まった。背景には、香川県に水を送る源流の一つである高知県の早明浦ダムの貯水率低下がある。県広域水道を運営する組織は住民に対し、日常生活での節水を求めている。
高松市の御殿浄水場では給水システムの調整が行われ、一般的な上水圧が従来の220kPaから200kPaへ下げられた。水圧の低下は旧高松市の一部区域で13年ぶりの措置となる。旧高松市区域でも牟礼町や香川町など一部を除く地域が対象となる一方、旧丸亀市域でも継続して減圧が実施されているが、県の担当者は日常の生活に著しい支障は出ないとの見解を示している。
「基本的に市民生活には影響がない形をとっている。歯磨きの時間を短くするなど、県民の皆さまには節水にご協力いただけたら」
取水制限の開始時点(8月28日午前0時)の早明浦ダム貯水率は21.8%と報告されている。平年値を大きく下回る水位が続いており、今後の降雨状況によっては制限の継続や段階的な強化もあり得る。
住民と事業者への影響と具体的対策
今回の措置は水量の供給調整を主目的としており、即時の断水を伴うものではないが、以下の点で影響が想定される。
- 家庭では水圧低下に伴うシャワーや給湯の勢いが弱まる可能性がある。
- 業務用で大量の水を使う飲食店や生産現場は稼働方法の見直しが必要になる場合がある。
- 学校行事や施設利用(例:プールの使用)に制約が生じるケースがある。
実務的には、県や広域水道は次のような対応を周知している。
- 生活上での節水(短時間のシャワー、歯磨き時の水栓を止めるなど)
- 事業者向けの使用量抑制の呼びかけと、必要に応じた運用時間の変更
- 井戸水の利用を検討する家庭や事業者に向けた水質検査支援(地域での検査制度など)
地域の備えと実務上のポイント
渇水対策は個人の節水だけでなく、自治体のインフラ対応も鍵を握る。住民が知っておくべき実用情報を整理する。
| 項目 | 意味合い |
|---|---|
| 減圧給水 | 給水圧を下げて供給量を抑える措置。短時間の水勢低下が発生するが断水とは異なる。 |
| 取水制限の段階 | 第4次は深刻度の高い段階。今後の気象で変動する。 |
| 早明浦ダム貯水率 | 8月28日午前0時時点で21.8%。供給源の目安となる数値。 |
とくに水を大量に使う事業者は、事前に使用量の見直しや設備の代替(貯水タンクの活用など)を検討しておくことが重要だ。また、家庭では日常的な水の使い方を見直すことで、地域全体の需要を下げることができる。
今後の見通しと住民への要請
今後の対応は、早明浦ダムを含む上流域の降雨状況次第で変わる。県と広域水道は引き続き水位と供給状況を注視し、必要があれば追加の措置や生活影響の大きい施設への個別対応を行う方針だ。住民には無駄な流しっぱなしを避けるなど、日常の節水を続けるよう改めて協力を求めている。
地域の水事情は観光や農業、飲食業など幅広い分野と結びつく。今後、降雨で回復が見られなければ、農業用水や観光施設の運用にも追加の制約が出る可能性があるため、地元自治体や事業者は代替策の準備を進める必要がある。
住民は市町村の公式発表や広域水道の情報を日々確認し、不測の事態に備えた準備(容器での飲料水備蓄、必要な機器の点検など)を行うことを推奨する。
(取材・文:藤井 一郎、プレスリリースジェーピー香川県担当)