岐阜県内で空き巣などの侵入盗が増えているとして、県警が関市の住宅で行った防犯診断が注目を集めている。県警によれば、昨年確認された侵入盗は1411件で、一昨年から275件、約25%の増加となった。県警は今年に入ってから5月末までに、侵入盗の下見と疑われる通報や相談が103件寄せられていると説明した。
防犯診断で明らかになった手口と兆候
診断の模様では、警察官が地域の住民に対して具体的な留意点を伝えた。報告された事例には、次のようなものがある。
- 玄関先などに小型カメラの模型を置き、住人の出入りを監視する試み
- 門前やポストの上に石を置く「マーキング」。石の位置の変化で出入りを確認する手口
- 住宅敷地の奥にある足場になりうる物を利用し、窓ガラスを割って侵入する方法
県警生活安全総務課の塚原邦幸警部補は、模型のカメラやマーキングといった
「不審な人や不審な車以外のモノにも注目して、カメラなどがないか探していただきたい」と呼びかけている。また、敷地内に置かれた物が犯行に利用されることを指摘し、昨年の空き巣被害の約4割がガラス割りによる侵入だったと説明した。
居住者が日常でできる具体的対策
防犯診断で示された注意点は、特別な設備投資を伴わない日常的な対策が中心だ。警察からの助言を踏まえ、住民が取り組むべきポイントを整理する。
- 不審物の早期発見:門やポスト周りに置かれた物、玄関付近の見慣れない機器に注意する。模型カメラの可能性もあるため、定期的に確認する。
- 敷地内の整理整頓:窓際や塀付近に脚立や植木鉢等、乗り越えやすい足場を放置しない。
- 来訪者対応の徹底:ドアを開ける際はインターホン越しやドアチェーンを活用し、身元が確認できるまで完全に開けない。
- 日常の変化に注意:靴の数などから家族構成が把握されるリスクもあるため、玄関の外観が常に同じでないか意識する。
関警察署の栗田英俊署長は、住民の過信を戒め、異変に気付いた際は早めに相談することを促している。防犯診断を受けた住民からは「日常の動作の中では気づきにくい」との声があり、見落としがちな兆候への注意喚起が効果的であることがうかがえた。
地域でできる連携と相談先
侵入盗を防ぐには個人の対策と併せて地域の連携が重要だ。自治会や町内会での情報共有、近隣との声かけが抑止力になる。具体的には次のような取組みが考えられる。
- 見守り活動の強化:不審な車両や人物を見かけた場合、自治会内で共有する。
- 防犯カメラやセンサー照明の設置検討:費用対効果を確認のうえ導入を検討する。
- 警察への早めの相談:少しでも不審に感じたら関警察署などに通報・相談する。
県警は今回の診断で示された事例を踏まえ、広く住民に注意喚起を行う方針だ。各家庭でできる対策は限られるが、日々の観察と地域での情報共有が被害抑止に直結する。
今回の調査対象となった関市の住宅街では、警察官が住民に対して実演を交えた指導を行い、具体的な気づきにつながったという。県内で侵入盗が増加している現状を受け、個人の備えと地域の連携を改めて確認する必要がある。
以上の点を踏まえ、不審な兆候を見つけた場合は躊躇せず最寄りの警察署へ連絡し、自治会等でも情報共有を図ることが重要だ。