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つくば発:麦茶用大麦の新品種「カシマホープ」を農研機構が開発

農研機構(つくば市観音台)が麦茶向け大麦の新品種「カシマホープ」を開発。病害耐性と収量の向上を図り、県は奨励品種に採用。国産麦の安定供給や生産拡大が期待される。

つくば発:麦茶用大麦の新品種「カシマホープ」を農研機構が開発
©イラスト AI生成 :中村 智子/プレスリリースジェーピー

農研機構(つくば)開発の新品種、麦茶用大麦に期待

農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、所在地:つくば市観音台)は、麦茶向けのオオムギ新品種「カシマホープ」を開発したと発表した。猛暑による麦茶需要の増加や、従来品種が受けるウイルス性病害の被害を踏まえ、病害への耐性強化と安定生産を目指した育成で、県は同品種を奨励品種として採用している。

研究機構が示す主要な検証結果では、病害の発生しやすい圃場での試験において、既存品種の「カシマゴール」が10アール当たり209キロの収量だったのに対し、カシマホープは409キロと約2倍の収量を記録した。外観や風味に関しては、従来主力だった「カシマムギ」と同様に色づきが良く、飲料メーカーからの関心が強い点も報告されている。

背景:需要増と国産原料の課題

農研機構のまとめでは、麦茶用オオムギの生産量は2013年以降拡大し、近年は需要が高まっているという。現在、市場ではカナダ産を中心とする輸入麦が全体の約6割を占める一方、国産の麦は価格面で不利とされてきたが、品質面での評価は高い。こうした状況で、病害による収量低下が進むと国産供給の基盤が揺らぎかねないため、耐病性を持つ品種の導入が課題となっていた。

農研機構は1967年以降、麦茶向け主力品種として「カシマムギ」の育成を進め、その後「カシマゴール」へと置き換えてきた経緯がある。だが、近年拡大したオオムギの萎縮病などの病害が生産に影響を与え、生産量低下の要因となっていることから、新たな育種に取り組んだ。

つくば地域と生産者への影響

カシマホープは観音台にある農研機構での研究成果であり、つくば発の品種として周辺の生産者にとって直接的な恩恵が見込まれる。ポイントは以下の通りだ。

  • 耐病性の向上:ウイルス性の病害である萎縮病などに対する耐性が高く、発病時の収量低下を抑制できる。
  • 収量性:試験圃場での10アール当たり収量が従来品種を上回り、作付けあたりの生産性向上につながる。
  • 需要対応:麦茶向けに好まれる色づきや風味を備えており、飲料メーカーの需要取り込みが期待される。

これらは、つくば・県内の生産者にとって生産安定化と収益改善の材料となる。特に気候変動による高温化で病害の発生条件が変わりやすい現状では、耐病性のある品種はリスク管理の観点からも有用だ。

消費者・加工業者への波及と実務的ポイント

飲料メーカーや加工事業者にとっては、国産麦の安定供給が原料調達の多様化につながる。国産麦は品質面で評価が高く、差別化商品や地産地消を志向する商品の原料として活用しやすい。

生産者がカシマホープの導入を検討する際の実務的注意点は以下の通りだ。

  • 栽培暦や作付け計画の見直し:県が奨励品種に採用しているため、来夏以降の種子配布や普及指導の情報を確認すること。
  • 市場動向の把握:飲料メーカーからの需要動向や取引条件を確認し、契約栽培などの可能性を探る。
  • 圃場管理:耐病性はあるが、圃場条件や密植、倒伏対策など基本的生産管理は引き続き重要である。

県は4月にカシマホープを奨励品種に採用しており、県内では2027年秋から一斉栽培が始まる見通しである(研究機構の公表資料による)。このスケジュールにより、作付け計画や種子確保の準備を進める必要がある。

研究に携わった農研機構の小島久代主任研究員は「生産者、飲料メーカー、消費者にとって有用な品種として広く活用されればいい」と期待を示している。
品種 試験収量(10アール当たり)
カシマゴール 209キロ
カシマホープ 409キロ

表が示すように、同条件下の試験でカシマホープはカシマゴールを上回る収量を示している。ただし試験は限定的な環境下での結果であり、実際の営農で同等の効果を得るためには圃場ごとの検証や栽培管理の工夫が必要だ。

住民への実用的案内

つくば市および県内の農業関係者、一般消費者に向けた実務的な確認事項を整理する。

  • 農家・生産者:県農政担当窓口や農研機構が提供する普及資料、技術指導の予定を注視し、種子供給の見通しを早めに確認すること。
  • 加工・流通事業者:国産麦の調達ルートの確保や、契約栽培による安定供給の検討を進めること。
  • 消費者:国産原料を使用した製品の選択肢が増える可能性があるため、商品の表示や原料産地情報に注目するとよい。

今回の成果は、つくば市に拠点を置く農研機構の育種研究がもたらしたものであり、地域の農業振興と食品産業の安定に寄与する可能性が高い。今後は実際の生産現場での普及状況、流通段階での受容性、消費者ニーズとの整合性が重要になる。つくば発の新品種が地元の生産基盤と市場にどのように根付くか、引き続き注視する必要がある。

中村 智子
中村 AI編集 茨城県担当記者 オンライン

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