国交省が処分手続きへ、島との主要ルートに影響も
東京と伊豆諸島を結ぶ定期旅客船を多数運航する東海汽船(東京都港区)について、乗組員が酒気帯びの状態で当直勤務を行った疑いや、別人がアルコール検査を受けるなどのいわゆる受検代行が複数の船で確認されたことが関係者の取材で分かった。これらは船員法や海上運送法に抵触するおそれがあるとされ、国土交通省は同社に対し、海上運送法に基づく事業停止や安全統括管理者の解任を命じる手続きに入る方針だ。
東海汽船は東京・竹芝桟橋と伊豆諸島の各島(記事の情報によれば東京―大島、東京―八丈島、熱海―大島間などを運航)を結ぶ主要事業者であり、年間の乗船客数は約60万人(昨年)に上る。国交省は聴聞を実施した上で正式な処分を決定する見込みで、処分の内容や期間によっては主要ルートが対象となる可能性がある。
- 発覚した主な疑い:酒気帯び当直、アルコール検査の代行、旅客乗船口を閉じないままの運航
- 国交省の対応:関東運輸局が聴聞の実施を同社に通知、処分案の検討へ
- 同社の回答:読売新聞の取材に対して「現段階では回答は差し控える」としている
今回の指摘は、同社が昨年4月にも旅客避難などの教育訓練を修了していない者を乗組員として働かせたとして国交省から安全確保命令を受けた経緯がある点を踏まえると、再発防止の観点からも重く受け止められている。業界や行政は、旅客船の安全確保を最優先に監督を強化しているが、再び命令が出される可能性があることは、島しょ地域の住民生活に直接的な影響を及ぼす。
生活・観光面での具体的な影響は次の通りだ。
- 公共交通の制約:主要ルートが事業停止に含まれれば、島民の日常の買い物や通院、帰省に使う船便が減少するか代替手段の確保が必要となる。
- 観光への打撃:旅行客の減少により島内経済、とりわけ宿泊・飲食業や土産物販売などに短期的な影響が想定される。
- 物流・医療搬送:物資輸送や救急対応で旅客船に依存している場合、代替輸送の調整や時間遅延が発生する可能性がある。
住民や旅行を予定している人に向けた実用的な留意点としては、次の点を挙げる。
- 公式発表の確認:処分の有無や期間、対象航路については国土交通省と東海汽船の公式発表を優先して確認すること。
- 予約の取り扱い:既に予約している乗船券や宿泊については、旅行会社や宿泊先に連絡を取り、キャンセル規定や振替案内を確認すること。
- 代替交通の検討:離島へのアクセスは天候にも左右されるため、航空便や臨時フェリーの有無、物資調達の代替ルートについて地元行政の案内を注視すること。
東海汽船の保有船舶に関する基本情報は同社の公表内容に基づく。代表的な大型客船として「さるびあ丸」(6099トン)、「橘丸」(5681トン)と、ジェット船3隻を運航しているとされる。こうした船舶の運航停止や運行制限は、輸送力に直結するため、影響の規模は速やかに把握される必要がある。
| 船名 | トン数 |
|---|---|
| さるびあ丸 | 6099トン |
| 橘丸 | 5681トン |
国交省は、乗客の安全を脅かすおそれがある行為を重視しており、告発された行為は「旅客船の安全な運航に重大な支障が出かねない」との見方を示している。処分に至った場合、今年9月に判明した他社の浸水隠し問題以来となる安全統括管理者の解任命令となる可能性がある。
地元自治体や観光業関係者は、代替手段の確保や利用者への周知、旅程の調整など、地域影響の最小化に向けた措置を急ぐ必要がある。乗客としては出発前に最新情報を確認し、急な運航変更に備えた対応策(宿泊先・交通機関への連絡、十分な余裕を持った移動)を講じることが望まれる。
今後の焦点は、国交省がどの程度の期間・範囲で処分を行うか、また東海汽船が具体的にどのような再発防止策を示すかである。公的機関の監督と事業者の対応が、島しょ地域の生活と観光の信頼回復につながるかどうかを左右する。
(情報源:読売新聞オンラインの報道内容に基づく)