背景と導入の目的
長崎県時津町は、2026年8月3日から公立保育所で保育・教育施設向けICTサービス「CoDMON(コドモン)」を導入しました。町側は導入の理由として、電話での出欠連絡対応や紙での情報配布に伴う職員負担の軽減、登降園時刻の正確な把握による延長保育料計算の効率化などを挙げています。今回の導入により、県内での契約自治体は計7自治体となりました(2026年8月1日時点)。
導入される主な機能と期待される効果
- 遅刻・欠席・お迎え・延長連絡のアプリ化:保護者がスマホアプリから申請でき、園側はタブレット等でリアルタイムに受信。電話対応の削減と即時確認が可能になる。
- お知らせの一斉配信:クラスや園児を指定してテンプレートから送信。プッシュ通知やアプリ内配信で保護者への確実な周知を図る。
- 電子連絡帳:家庭と園で日々の様子をやり取り。写真を用いたフィードバックで、保護者の理解や安心につながる。
- 登降園管理の打刻自動化:二次元コードで打刻し、出席簿作成や延長保育料の算出に活用。
- 発育・健康記録の電子化:検温や午睡、排便チェックに加え、発達領域ごとの記録で日々の成長を蓄積できる。
関係者の声と現場への影響
「導入することで、保護者においては利便性が向上し、職員においては保護者への情報伝達の円滑化、ペーパーレス化、業務効率化や働き方改革の推進が図られ、保育に専念する時間の確保、及び保育の質の向上に繋がることを期待しています。」(時津町立時津保育所 所長・平野氏)
所長のコメントが示す通り、導入の主目的は現場の「業務時間」を子どもとの保育に回すことです。電話対応や印刷物の配布といった単純作業の削減は、職員の残業削減や心理的負担の軽減につながり得ます。特に人手不足が続く保育業界では、業務のデジタル化は職場定着や採用面でもプラスに働く可能性があります。
保護者にとっての具体的な利便性
保護者側の利点としては、時間を気にせず遅刻や欠席を報告できる点や、家庭での様子を簡単に伝えられる連絡帳機能があります。登降園の打刻情報を家族で共有できるため、共働き世帯や祖父母と同居する家庭での連携が円滑になります。また、アプリ通知により急な連絡事項や行事変更が速やかに伝わる点も有益です。
導入時の留意点と今後の展望
一方で留意すべき点もあります。ICT導入に伴うセキュリティ対策や個人情報管理、端末操作に不慣れな保護者や職員への支援体制が重要です。ログインや通知の仕組み、端末紛失時の対応ルール、データのバックアップなど運用面の整備が不可欠になります。また、すべての保護者がスマートフォン等を利用しているわけではないため、従来の連絡手段を並行して残す必要があるケースも想定されます。
| 対象機能 | 期待される効果 |
|---|---|
| 出欠連絡のアプリ化 | 電話対応削減、迅速な情報受信 |
| 登降園打刻 | 出席簿・延長料算出の自動化 |
| 電子連絡帳 | 家庭と園の情報共有の質向上 |
長崎県内での広がりと地域的意義
コドモンは全国で多数の自治体と契約しており、長崎県内でも今回で計7自治体に広がりました。県内の自治体間で運用ノウハウが共有されれば、小規模園が多い地域でも効率化の波及が期待できます。特に人口減少や保育士確保が課題となる地域では、ICTによる業務負担軽減は重要な施策の一つとなります。
時津町は今回の導入を皮切りに、運用状況を見ながら他施設や保育サービス全体への展開を検討するとみられます。導入初期は操作説明会やサポート体制の周知を丁寧に行うことで、導入効果を最大化できるでしょう。保護者と職員の双方がメリットを実感できるかが定着の鍵となります。
(藤原 楓/長崎県担当記者)