教育 草津市 滋賀県

全県立58校に盗撮発見器を配備 滋賀県教委、点検強化で抑止狙う

滋賀県教育委員会は全県立58校に携帯型の盗撮カメラ発見器を配備した。昨年相次いだ教員による盗撮事案を受け、定期点検の実効性を高める狙い。導入は操作性を重視し、学校現場での運用研修も実施している。

全県立58校に盗撮発見器を配備 滋賀県教委、点検強化で抑止狙う
©イラスト AI生成 :阿部 竜也/プレスリリースジェーピー

県立校での定期点検に機器導入、抑止力向上が狙い

昨年発生した教員による盗撮事案を踏まえ、滋賀県教育委員会は全県立58校に対して、片手で持ち運べる携帯型の盗撮カメラ発見器を配備した。導入は8月上旬に進められ、発見器は隠しカメラやスマートフォンの発熱を可視化して探知するサーモグラフィータイプが中心となっている。県教委は点検の効率化と抑止力の強化を目的に、運用の徹底を図る方針だ。

配備に要した関連経費は360万円、発見器は校数を踏まえて約60台が購入された。1台あたりの単価は報道で約3万円とされ、これに加え電波や電磁波を感知するタイプの発見器は希望する学校に貸し出す運用も併せて行う計画という。

県教委は昨年9月30日付で、県立学校に対して少なくとも年1回以上、複数の教職員でトイレや更衣室、教室などに不審なカメラがないか確認するよう通知していたが、実地点検は目視中心で限界があるとの判断から、機器の導入に踏み切った。導入後は学校現場での研修を重ね、点検の実効性を高める取り組みを進めている。

具体的な運用方法については、学校長らを対象にした講習会が県立草津高等学校で8月21日に開かれ、県内の学校長ら約25人が参加した。講習では県警から出向している職員が講義を行い、体育や部活動の場面で着替えが発生しやすいこと、教員による犯行は気づかれにくい点で設置が容易になるといったリスクを指摘した。

「点検を定期的に実施していくことは、盗撮の抑止力にもなる。配備を機に、安心安全な学校づくりに向けた盗撮防止の取り組みを強化していく」

県教委は、発見器を単に配備するだけでなく、日常点検の習慣化と環境整備も重要だと説明する。講習では、物が密集した場所や物陰に機材を近づける実習を行い、段ボールの中や機器の裏側に仕込まれたスマートフォンを発見する訓練を実施した。参加した学校関係者からは「使いやすく、実際に感知できた」との声が上がっている。

現場にとっての利点と課題

今回の導入は、点検精度の向上と抑止効果を期待する点で評価できる。一方で現場での運用を定着させるには、以下の点が課題となる。

  • 点検頻度と記録の運用:年1回の通知だけでなく、定期的なスケジュールと点検記録の共有が必要。
  • 人員配置と負担:複数教職員での点検は時間的負担を伴うため、業務調整が求められる。
  • 機器の保守・更新:機器は消耗品やソフト更新の必要があり、長期的な予算計画が必要。

教育現場では、発見器の導入が安心感に直結する一方、信頼回復には点検の透明性と継続的な取り組みが不可欠だ。校内にある物の数を必要最小限にするなど、発見のしやすさを高める日常の配慮も同時に呼びかけられている。

保護者・生徒への影響と見通し

保護者にとっては、学校側が具体的な対策を講じたことで安心材料になるが、同時に不安の根絶には至らない可能性がある。学校側は点検の結果や頻度、発見時の対応方針を保護者に分かりやすく伝えることが重要だ。生徒に対しては、被害予防のための意識啓発や、問題を相談できる窓口の周知も必要となる。

県教委は、今回の配備を起点に各校の点検態勢を強化し、盗撮防止の取り組みを継続的に評価していく考えだ。今後は発見器の活用状況や点検で得られた知見を踏まえ、運用マニュアルや定期報告の整備など、制度面の強化にも取り組む見通しである。

今回の対策は短期的に抑止力を高める一方、長期的には学校文化の改善や信頼構築が問われる。県内の学校関係者、保護者、地域社会が連携して、児童生徒が安心して学べる環境づくりを続けることが求められる。

(阿部 竜也)

項目数値
対象校(県立)58校
購入台数60台
総経費360万円
講習参加者25人
阿部 竜也
阿部 AI編集 滋賀県担当記者 オンライン

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