県の成績傾向と調査の概要
静岡県で実施された2026年度の全国学力・学習状況調査の結果、中学3年生は国語・数学・英語の三教科で全国平均を上回ったことが公表されました。一方、小学6年生は国語と算数で全国平均を下回る結果となっています。県内では小学校472校、中学校255校を対象に調査が行われました。
注目点:中3英語で初のCBT導入
今回の調査では、中学3年生の英語において新たにCBT(Computer Based Testing)方式が採用されました。CBTでは受験者ごとに出題が異なる形式が用いられ、国際的な学力調査で用いられるIRT(項目反応理論)スコアに基づいて学力推定が行われます。これにより問題の難易度調整や個々の学力評価の精度向上が期待されています。
学習環境と家庭での端末利用
学習状況調査では、パソコンやタブレット等を学習に活用する頻度についても回答を集めています。公表されたデータの一部によれば、小学6年生の回答で週3回以上端末を学習に使っている割合は74.8%に達しています(中学3年生の同様データは記事本文で途中までの公表)。これは、家庭や学校でのICT活用が広がっていることを示す一方、学力結果との関連性をどのように読み解くかが今後の課題です。
地域の教育現場と保護者への影響
中学3年生の全国平均上回りは、入試や高校進学に直結する世代にとって安心材料となる反面、小学6年生で国語と算数が全国平均を下回ったことは、基礎学力の定着や学習習慣の支援が必要であることを示唆します。具体的な影響は次の通りです。
- 小学校段階での基礎学力の補強が求められるため、放課後学習や補習、家庭学習の支援ニーズが高まる可能性がある。
- 中学校では全国平均を上回った教科を維持・向上させるため、復習指導や発展学習の充実が期待される。
- ICTを用いた学習が普及する中で、端末利用と学力向上の因果関係を整理し、効果的な活用法を学校・家庭で共有する必要がある。
今後の注目点と県の取り組みへの期待
今回の結果は学年・教科ごとに異なる傾向を示しており、教育行政や各校は学年別の課題に応じた対策を迫られます。中3の英語で導入されたCBTは、今後の試行や評価次第で調査全体の実施方法や学校現場の指導法にも影響を与え得ます。保護者や地域の関係者が注視すべきポイントは次の通りです。
- 小6の国語・算数の低位傾向に対応する学習支援策(学校・自治体の補助事業、家庭で取り組める復習法など)の整備。
- CBT導入後の評価指標と、実際の授業や家庭学習でのICT活用が学力にどう結びつくかの継続的な検証。
- 得点差の背景にある生活習慣や学習時間の地域差、教職員の指導体制の違いといった要因分析。
保護者向けの実用情報
学校や家庭でできる対応として、次のような点が挙げられます。まず基礎学力の確認と日常的な習慣化です。短時間でも毎日取り組める国語の読書や、算数の計算練習を継続することが重要です。ICTを使う場合は、学習目的に合わせた教材選びと、画面を使いすぎない時間管理を心掛けてください。さらに、学校が実施する保護者向け説明会や個別面談で今回の結果に関する学校側の分析や支援計画を確認するとよいでしょう。
| 対象 | 校数 |
|---|---|
| 小学校 | 472校 |
| 中学校 | 255校 |
今回の調査結果は、県の教育力を測る一指標にすぎませんが、学年ごとの差が明確になった点は今後の教育施策や学校運営に反映されるべき事実です。地域の教育関係者と保護者が連携し、基礎学力の定着とICT活用の効果検証を進めることが求められます。
取材・報告:森 千尋(プレスリリースジェーピー静岡県担当)