工場で学ぶ「ものづくり」と防災
4日、香川県坂出市江尻町にある水処理機器メーカー「石垣」の坂出工場で、小学生と保護者ら約80人が工場見学を行い、浸水対策用ポンプの製造現場を見学しました。見学は香川大学創造工学部の石原秀則教授が主催する「かがわ源内ネットワーク」が企画したものです。
見学対象となったポンプは、川の合流点などでの逆流を防ぎ、大雨時に小さな川への流入を抑える用途で使われます。特徴として、低い水位でも排水が可能な機能を持ち、報道によれば同社はこれを世界で初めて実用化したと説明しています。参加者らは、製造ラインの工程やポンプの動作原理、設置場所ごとの使われ方について詳しい説明を受けました。
「人を守る機械みたいなところが、かっこいいと思った」
見学に参加した小学5年生はこう感想を述べ、また別の参加者は「いろんなところで使われているポンプのことを誇りに思いました」と答えました。子どもたちの率直な反応は、製品の持つ社会的意義が伝わったことを示しています。
地域防災と地場産業を結ぶ学びの場
今回の見学は単なる工場見学にとどまらず、防災機器としてのポンプの役割を通して地域の安全に関する理解を深める機会となりました。石垣のポンプは香川県内で製造され、報道では国内外180カ所以上に設置されているとされています。県内で生産された技術が他地域の防災に貢献していることを子どもたちが肌で感じる点に、地域産業の価値が含まれます。
- 参加者:約80人(小学生と保護者)
- 場所:石垣 坂出工場(坂出市江尻町)
- テーマ:浸水対策用ポンプの製造工程・機能の説明
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催 | かがわ源内ネットワーク(石原秀則・香川大学創造工学部教授) |
| 見学先 | 石垣 坂出工場 |
| 参加者 | 小学生・保護者 約80人 |
| 特徴 | 低水位でも排水できる浸水対策ポンプ(報道による) |
住民への具体的な影響と今後の展望
四国を含む西日本は集中豪雨や台風による河川のはん濫リスクが常に存在します。今回見学したような浸水対策用ポンプは、河川合流点や下水処理施設の近接地などで逆流や氾濫を防ぐ役割を果たします。低水位での排水が可能であれば、洪水の初期段階での対応が早まり、被害の軽減に寄与する可能性があります。
また、地元で製造される防災機器の理解が深まることは、設置・保守・運用を担う人材確保や地域内での迅速な対応体制構築にもつながります。学校教育の場でものづくりと防災を結び付ける取り組みは、将来の地元産業や公共インフラを支える人材育成という点でも意味を持ちます。
行政・住民が押さえるべき実務的ポイント
今回の見学で示された情報を踏まえ、住民や自治体が注目すべき点は次の通りです。
- ポンプ設置箇所の把握:合流点や低地の周辺の設置状況を確認し、自治体のハザードマップと照合すること。
- 保守と点検の重要性:機器は定期点検と迅速な修理体制がなければ性能を維持できないため、設置先の管理体制を強化する必要があること。
- 地域での教育継続:小中学校などでの体験学習を継続し、機器の役割と災害時の行動を結び付けた教育を推進すること。
今回の見学会は、子どもたちにとっては技術への興味喚起、保護者や地域にとっては地元製品の信頼性と防災上の意義を確認する機会となりました。今後は同様の取り組みを通じて、学校教育と地域防災・産業がより密接に連携することが望まれます。
(取材・文=藤井 一郎)