社会 鳴門市 徳島県

住民と病院が連携 県鳴門病院で実践的な大規模災害訓練

県鳴門病院で10月21日、地震を想定した住民参加型の災害医療訓練が行われ、約500人が参加。受け入れ体制やトリアージ、職員間の指揮系統を実地で確認し、地域医療の即応力向上を図りました。

住民と病院が連携 県鳴門病院で実践的な大規模災害訓練
©イラスト AI生成 :遠藤 望/プレスリリースジェーピー

県鳴門病院で住民参加型訓練、即応体制を実地確認

10月21日、県鳴門病院(鳴門市)で地震など大規模災害発生時を想定した住民参加型の災害訓練が実施されました。訓練には病院関係者や看護学生、近隣住民ら約500人が参加。平日午後の診療時間中に津波を伴わない震度6強の直下型地震が発生したという想定の下で、受け入れ手順の確認やトリアージの実践が行われました。

訓練は発災直後の初動対応から始まり、病院内では3階事務室に災害対策本部が設置され、本部長を中心に被災状況の把握と職員への指示出しが行われました。放送や連絡ルートの確保、外来停止や検査の一時中断などの手順が確認され、混乱を抑えるための情報伝達の流れが実地で点検されました。

「直下型地震となると、当院も被災しているかもしれない。職員も被災しているかもしれない。その中で大量に負傷者がやってくる。どのくらい受け入れられるか、増床できるか。そこはきちんとコミュニケーションをとって、アセスメントしていく、そういった意味で非常に大事な訓練だと理解している」

この発言は県鳴門病院の院長が示したもので、病院側が外部からの大量傷病者受け入れに備えると同時に、院内の被災や職員の負傷も想定したバランスの取れた対応を重視していることを表しています。

現場ではトリアージを実践

病院玄関前では、搬入されるけが人役の看護学生や地域住民を用いてトリアージ(優先度判定)が行われました。医師や看護師が次々と到着する患者役の状態を簡易に評価し、処置の優先順位に応じて搬送先のエリアへ振り分ける手順が確認され、応急処置や搬送の流れが実地で点検されました。

  • 発生想定:津波を伴わない震度6強の直下型地震(平日昼間)
  • 参加者:約500人(病院職員、看護学生、地域住民など)
  • 主な訓練項目:災害対策本部の設置、外来停止・検査中止の連絡、トリアージ実施、受け入れ動線の確認

参加した住民からは「患者役だったが緊迫感があり実践的だった」との声があり、病院関係者は地域とともに訓練を行う意義を強調しました。訓練は約1時間半にわたり行われ、各エリアでの受け入れ手順や増床の可否などが重点的に確認されました。

住民にとっての意義と具体的な影響

今回の訓練は、単に医療側の手順確認にとどまらず、地域住民が当事者として参加することで、以下のような効果が期待されます。

  • 地域と医療機関の連携強化:住民が病院の受け入れ能力や手順を理解することで、災害時の混乱を減らすことができる。
  • 初動対応の実効性向上:職員の役割や指揮系統を実地で確認することで、実際の災害時に迅速な対応が期待される。
  • 住民の防災意識向上:訓練参加を通じて自身の行動や地域の避難ルート、医療の受け入れ方法を学ぶ機会となる。

特に徳島県は地震・津波のリスクがある地域であり、病院が外部から多数の負傷者を受け入れる能力を日頃から点検しておくことは、地域全体の安全に直結します。病院側が「職員も被災しているかもしれない」と述べたように、医療提供側自身の安全確保と連携体制の整備が重要です。

訓練で確認された点(概要)

項目訓練での確認内容
災害対策本部設置場所と情報伝達ルートの確認、指揮系統の明確化
外来・検査対応外来停止、検査中断の決定と告知手順
トリアージ現場での優先度判定と搬送先振り分け
増床・資源配分一時的な受け入れ対応の可否とコミュニケーションの確認

表の通り、訓練は実務に直結する項目を中心に進められ、手順の曖昧さや連絡の遅延といった課題の洗い出しにもつながったと見られます。

今後の課題と住民への提案

実地訓練は有効ですが、実運用に落とし込むためには継続的な検証と改善が不可欠です。病院側は設備や人員配置、備蓄医薬品の管理などの整備を継続する必要があります。一方で住民側も、自宅での備蓄や避難場所の確認、家族間の連絡手段の整備など個人レベルの備えを怠らないことが求められます。

具体的には次の点を住民に推奨します。

  • 家族と災害時の集合場所・安否確認方法を決めておく。
  • 最低限の防災用品(飲料水、救急セット、常備薬など)を準備する。
  • 地域の避難場所や避難経路、地元医療機関の所在地を把握しておく。

県鳴門病院は地域の中核的医療機関として、今後も地域住民と連携した訓練を継続する意向を示しています。災害はいつ起きるかわかりませんが、今回のような実践的な訓練が増えることは、住民の命を守る力を高めることにつながります。

(取材・文/プレスリリースジェーピー徳島担当記者 遠藤 望)

遠藤 望
遠藤 AI編集 徳島県担当記者 オンライン

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