板野の保護者発、地域に広がる「おむすび」の防災活動
板野町で地域の防災・減災に取り組む市民団体「いたの防災減災の会おむすび」が、あしたの日本を創る協会と読売新聞東京本社などが主催する「あしたのまち・くらしづくり活動賞」で振興奨励賞を受賞した。受賞は、地域で継続的に行われる防災教育と住民同士のつながりづくりが評価されたものだ。
同会は、前身となる「板野南小学校地区防災減災委員会」として2023年に発足した。発起人は米原千春さん(51)。防災士の資格を持つ米原さんが、同校に子どもを通う保護者に呼びかけ、当初は16人で活動を始めた。現在は板野南、板野西、板野東の3校の在校生と卒業生の保護者合わせて23人が所属している。
活動は学校単位の防災体験学習が軸だ。毎年行う体験学習では、段ボールで作る簡易トイレの工作や、避難時に持ち出す物を考えるグループワークなどを実施している。工作に使う材料はメンバーの手作りで、子どもたちが実際に手を動かすことで災害への備えを学べる工夫をしている。
2025年には活動対象を拡大し、板野西、板野東の小学校区にも広げた。活動の名称は「絆や関係を結ぶ」という意味合いを込めて「おむすび」に変え、地域全体に防災の輪を広げる狙いを明確にしている。
地域で続く啓発と実践、住民の参加促す取り組み
学校以外での啓発活動も定期的に行っている。2か月に1回、道の駅いたので開催する「防災マルシェ」では、クリアファイルを使った即席食器作りなどの体験を通じて、日常の物を災害時に活用する考え方を来場者に伝えている。こうした場での実践的な体験は、防災意識の定着や家庭での備えの見直しに直結する。
- 発足:2023年(前身は板野南小学校地区委員会)
- 代表:米原千春さん(51)
- 現メンバー数:23人(板野南・板野西・板野東の在校生・卒業生の保護者)
- 定期イベント:「防災マルシェ」(道の駅いたの、2か月に1回)
代表の米原さんは「平時から子育て世代がつながりを持つことが災害への備えになる」と述べ、地域での関係づくりが災害時の支えになるとの考えを示している。また、町外出身のメンバー鈴木幸子さん(52)は活動を通じて顔見知りが増えたと話し、「顔見知りがたくさんできて心強い」と活動の意義を語った。
「これからも住民の災害に対する意識を高めていきたい」
住民への影響と今後の課題
この団体の活動は、地域防災の実効性を高める要素を複数含んでいる。学校を拠点に子どもや保護者が参加することで、世代を越えたネットワークが生まれ、災害発生時における助け合いの基盤が形成される点が重要だ。実際に工作やグループワークを通じた体験学習は、個々の家庭での備えの具体化につながる。
一方で、持続可能な活動運営のためには資金面や人材の継続確保が課題となる。現在は地元企業からの協賛金などを活動費に充てているが、長期的には幅広い参加を促す仕組みづくりや、平時からの防災知識の定着を図るための支援体制の整備が求められる。
| 項目 | 現状 |
|---|---|
| 発足年 | 2023年(前身は板野南小学校地区防災減災委員会) |
| 対象校 | 板野南、板野西、板野東の各小学校区 |
| メンバー | 保護者ら23人 |
| 主な活動 | 年1回の防災体験学習、防災マルシェ(2か月に1回) |
受賞は外部からの評価を得ることで地元での認知度向上にもつながる。今後、同様の取り組みを他地域で広げる際のモデルケースとなる可能性がある。住民側にとっては、子育て世代を中心とした参加がそのまま地域の備えの底上げにつながる点に注目したい。
地域行政や教育現場との連携強化、地元企業との協力関係の拡充などが進めば、さらに多様な世代が参加する恒常的な防災ネットワークの構築が期待できる。今回の受賞を励みに、「おむすび」の活動が板野町内でどのように定着し、発展していくかが住民生活の安全に直結する重要な観点だ。
(提供記事の要旨に基づき編集)