調査の概要と主な結果
子ども向けのお出かけ情報サイトを運営する企業が実施したインターネット調査(2026年7月、モニタークラブ会員の子育て世帯452人対象)で、生成AI(いわゆるチャット型AI)を情報収集に利用する場面が分野ごとに異なることが明らかになった。特に旅行プラン(23.5%)、子育ての悩み(21.7%)、健康や医療の相談(20.1%)で一定の利用が確認され、家族の状況に合わせた“最適解が変わる”領域でAIが選ばれる傾向が見られた。
専用アプリと生成AIの使い分けが進行
一方、天気や乗り物・移動ルート検索といった、リアルタイム性や精度が重視される分野では専用アプリの利用率が高い。調査では天気の情報収集で専用アプリが50.7%、生成AIは1.3%にとどまった。乗り物やルート検索でも専用アプリが52.2%と主流で、生成AIは7.1%であった。
利用実態を示すデータ
| 分野 | 生成AI利用率 | 専用アプリ等利用率 |
|---|---|---|
| 旅行プラン | 23.5% | 23.0% |
| 子育ての悩み | 21.7% | — |
| 健康や医療の相談 | 20.1% | — |
| 天気 | 1.3% | 50.7% |
| 乗り物・移動ルート | 7.1% | 52.2% |
利用者の声と期待
調査回答からは、生成AIの利便性と限界の両面が窺える。AIの提案を好ましく受け止める声としては、同行者や時刻表など複数要素をまとめて旅程を作成できる点が評価される一方、子連れ向けホテル検索など具体的な条件下では提案が不十分で手動検索に戻る例もあった。実際の回答には次のような意見があった。
「旅行の子連れ向けホテル検索。AIの提案がいまいちだったので、自分でネット検索しました」
今後の活用意向では、旅行プラン(44.2%)、料理・レシピ(36.9%)、子育て・しつけ・教育の悩み(36.7%)、おでかけ・レジャースポット(35.6%)が上位に挙がり、生活の幅広い場面で期待が高いことが示された。
背景と考えられる要因
今回の結果は、生成AIが「正解がひとつではない相談」に強みを発揮するという特徴と一致する。子育てや健康相談では家庭の状況や価値観により最適解が変わるため、迅速に複数の選択肢や視点を得られる生成AIが選ばれやすい。反対に、天気予報や運行情報のように正確で最新の数値や経路が求められる領域では、長年のデータ蓄積や専用設計に基づくアプリが優位である。
健康・医療相談における留意点
本調査は利用動向を示すものであり、生成AIが医療診断や治療の代替となることを示すものではない。医療に関する情報は誤情報や過度の一般化が生じやすく、利用者は以下の点に注意する必要がある。
- 生成AIの回答は医療専門家の診断や検査結果の代替ではない。
- 症状が重い、または急変した場合は速やかに医療機関を受診する。
- AIの情報は参考として扱い、一次情報(公式ガイドラインや医療機関の情報)を確認する。
今後の展望と課題
生成AIの利便性が認知されるにつれ、家庭での初期的な相談や情報整理の用途は増えると考えられる。だが同時に、医学的精度の担保、プライバシー保護、情報の最新性を確保する仕組み、そして誤情報や過信を防ぐ教育が課題として残る。関係者は技術の導入を進めると同時に、適切な利活用のガイドラインづくりや利用者への周知を強化する必要がある。
今回の調査は、暮らしと健康に関する情報源の多様化と、それに伴う使い分けの実像を示している。生成AIは家庭の悩みに対する有力な補助ツールとなりつつあるが、医療分野では専門家の判断と組み合わせる運用が不可欠だ。