白浜町のふるさと納税返礼品として提供開始
近畿大学水産研究所と近畿大学発ベンチャーの株式会社アーマリン近大(ともに和歌山県白浜町)は、研究所が日本で初めて作出した交雑魚「クエタマ」を、白浜町のふるさと納税返礼品として、2026年7月23日午前9時から数量限定で受け付けると発表しました。家庭で手軽に楽しめる冷凍の鍋セットとして提供し、寄附金額は40,000円(1kg・4〜5人前)と24,000円(500g・2〜3人前)の2種類です。発送は2026年11月から2027年2月の期間に行われます。
「海を耕す」
近畿大学は1948年に白浜での海水魚養殖研究を開始して以来、白浜町と長年にわたり連携してきました。今回の返礼品化は、研究成果を地域振興に結びつける取り組みの一環であり、養殖魚の価値や持続可能性を訴求する狙いがあります。
クエタマとは何か——特徴と意義
クエタマは、幻の高級魚とされるクエ(ハタ科)と、成長が早い南方系のハタ科魚タマカイを掛け合わせて作出された交雑魚です。開発の目的は、クエの味わいを保ちながら養殖の効率を向上させることにあり、成長の早さから陸上養殖を含む実用化が期待されています。近畿大学は過去にも小割式網いけす養殖や人工ふ化など、養殖技術の実用化で成果を上げており、今回のクエタマもその延長線上の成果です。
- 提供開始日:2026年7月23日 9:00(受付開始、数量限定)
- 寄附金額:40,000円(1kg)/24,000円(500g)
- 発送期間:2026年11月〜2027年2月(注文時に選択)
- 申込方法:各ふるさと納税ポータルサイト経由で申込
地域への波及効果と課題
白浜町にとっては、近畿大学発の研究成果を地元の返礼品として提供することは、産業振興と観光の両面でプラスとなる可能性があります。具体的には次のような効果が見込まれます。
- 返礼品を通じたブランド発信により、白浜町の食資源としての認知向上。
- 寄附者や消費者が白浜町の水産・観光に関心を持つことで、観光客誘致や地域消費の促進。
- 成長の早い魚種として養殖効率が良い点が示されれば、地元の養殖業の新たな選択肢となり得る。
一方で、注意すべき課題もあります。クエタマは学術的には交雑魚であり、概念的に「サラブレッド魚」と名付けられているものの、出荷規模が限られる現状では供給の安定化、品質管理、消費者理解の促進が必要です。地域側は「安心・安全で美味しく、環境負荷を低減しつつ安定して食べられる養殖魚」として価値を訴求するとしていますが、消費者と漁業者双方に向けた情報発信とトレーサビリティの確保が求められます。
申込み・受け取りに関する実務情報
申し込みは各種ふるさと納税ポータルサイト上で行います。セットは冷凍での提供、だしぽん酢が付属するため、家庭で簡便に鍋として楽しめます。限定数に達し次第受付終了となるため、確実に入手したい寄附者は受付開始日時に注意が必要です。発送は冬期の11月から2月に設定されており、鍋需要の高い季節に合わせた配送設計になっています。
| 寄附金額 | 内容量 | 想定人数 |
|---|---|---|
| 40,000円 | 1kg(冷凍) | 4〜5人前 |
| 24,000円 | 500g(冷凍) | 2〜3人前 |
事務連絡先として、近畿大学経営戦略本部広報室と白浜町役場の総務課企画政策係が公表されています。詳しい申込先や数量の上限、発送スケジュールの確定情報は、各ふるさと納税ポータルおよび町の発表を確認してください。
白浜町と近畿大学の歴史的関係
近畿大学は1948年に白浜に臨海研究所を開設して以来、同町を研究と産業化の舞台としてきました。かつてクエのブランド化に産学連携で取り組んだ経緯があり、2017年には包括連携協定を締結して地域振興や養殖研究の実用化に協力しています。今回のクエタマ返礼品は、そうした長年の関係性を踏まえた成果の社会実装と位置付けられます。
地域内では、返礼品化による短期的な経済効果に加え、長期的には白浜での養殖ノウハウや関連加工産業の活性化に繋がる可能性があります。今後、供給量の拡大や加工・流通体制の強化、消費者側の受容性の確認が進めば、より大きな地域振興効果が期待できるでしょう。
(執筆:岡田 美穂/プレスリリースジェーピー 和歌山県担当記者)