調査で判明:和歌山は人口10万人あたりのカラオケ事業所数が最多
東京都の調査会社が総務省・経済産業省の「令和3年経済センサス-活動調査」をもとに集計した結果、和歌山県の人口10万人あたりのカラオケボックス業の事業所数が7.48か所で全国で最も多いことが分かった。集計時点の事業所数は69か所で、全国4,504か所(2021年6月時点)のうちの一部を占める。
「人口10万人あたりの事業所数は和歌山県が7.48か所で最も多く、最も少ない岐阜県(1.57か所)の4.8倍でした。」
同調査では、最も少ない岐阜県が人口10万人あたり1.57か所で、和歌山との比は4.8倍に達する。上位には沖縄、鹿児島、熊本、長崎と九州・沖縄の自治体が多く並んでおり、地域ごとの余暇産業の偏在が浮かび上がった。
調査の概要と入手方法
集計は2021年6月時点の事業所数と、2020年の国勢調査の人口を基準に行われ、調査結果は2026年10月20日に公開された。集計を行った企業は調査結果の市区町村別データ(Excel、1,890市区町村分)を無料で配布しており、配布ページから申し込むとダウンロード用リンクがメールで送られる仕組みになっている。
- 対象区分:経済センサスの「カラオケボックス業」
- 事業所数時点:2021年6月
- 人口基準:2020年国勢調査の値
和歌山でカラオケ事業所が相対的に多い意味
数値が示すのは単に店が多いという事実だけではない。カラオケを含む余暇・娯楽業の密度は、夜間の消費活動、雇用機会、観光との連動など複数の面で地域社会に影響する。和歌山の事業所密度が高い背景には、人口規模や市街地の分布、観光客の受け皿としての需要、あるいは地域の文化的嗜好などが考えられる。今回の集計表は市区町村別の細かなデータも含むため、地域の実情把握や事業計画、観光施策の検討に資する資料となる。
住民と事業者への具体的な示唆
今回の結果が示す点を暮らしと事業の両面から整理すると、次のような実務的示唆がある。
- 利用者側:夜間の余暇施設が多いことは選択肢の豊富さを意味し、近隣での娯楽利用がしやすい。一方で、競合が多い分店ごとの差別化や営業時間・料金の情報を事前に確認する必要がある。
- 事業者側:出店や運営を検討する際、和歌山のように既存事業所密度が高い地域では立地競争、マーケティング、サービス差別化が重要となる。逆に、事業所密度が低い地域では需要開拓の余地がある可能性がある。
- 行政・観光関係者:地域資源としての余暇産業の配置を把握することで、観光連携や治安・交通対策、地域振興策の検討材料になる。
全国ランキング・主要値(調査より)
| 順位 | 都道府県 | 人口10万人あたり(か所) | 事業所数 |
|---|---|---|---|
| 1 | 和歌山県 | 7.48 | 69 |
| 2 | 沖縄県 | 7.16 | 105 |
| 3 | 鹿児島県 | 5.92 | 94 |
| 4 | 熊本県 | 5.81 | 101 |
| 5 | 長崎県 | 5.56 | 73 |
| 43 | 愛知県 | 2.12 | 160 |
| 44 | 滋賀県 | 2.05 | 29 |
| 45 | 福井県 | 1.96 | 15 |
| 46 | 三重県 | 1.86 | 33 |
| 47 | 岐阜県 | 1.57 | 31 |
表は調査発表に基づく上位5位と下位5位の抜粋で、事業所数は2021年6月時点、人口は2020年国勢調査の値を用いている。
データの入手と利用上の注意
調査を実施した企業は、市区町村別の詳細データを無料で配布しており、法人・個人を問わず申請できる。配布は専用ページのフォーム送信後にダウンロードリンクが送付される形式だ。地域ごとの比較や出店判断、学術的な分析に便利な一方で、集計の基準(「カラオケボックス業」という統計区分)や時点が限られているため、最新の営業実態や閉業・新規開業の動きは反映されない点に留意が必要だ。
和歌山県内で余暇産業の動向や地域振興を検討する際は、本調査の数値を参考にしつつ、現地の事業者動向や観光客の増減、交通アクセスなどの既存資料や現地調査と組み合わせて分析することを推奨する。
(取材・文/岡田 美穂)