鹿嶋市、旅や観戦の領収書を寄付に転換する仕組みを導入
茨城県鹿嶋市は、株式会社電算が提供する後納型ふるさと納税サービス「あとふる(R)」を導入し、本格運用を共同で進めることを発表しました。市内の宿泊・飲食・体験に加え、Jリーグ・鹿島アントラーズのホームゲーム観戦チケットも対象に含める予定で、茨城県内の自治体としては初の取り組みとなります。
鹿嶋市の令和6年度の寄付受入額は約3.5億円でしたが、市は令和8年度に10億円を目標に掲げています。今回の導入は、寄付者との接点を増やし、地域の魅力を知ってもらうきっかけを広げることを目的としています。
旅の思い出が、ふるさと納税に変わる。新しい寄付の体験を提供します。
背景と狙い:体験型とチケット連携で配送負担と機会損失を解消
鹿嶋市は地理的に関東圏の日帰り圏内から来訪する寄付者が多く、従来の返礼品は干し芋や焼き芋などの農産加工品が主力でした。これらは人気が高く、品切れや配送までの時間による寄付機会の損失が課題となっていました。そこで、配送費の圧縮につながる体験型返礼品の充実が急務とされてきました。
「あとふる」導入により、旅行や飲食、体験を現地で楽しんだ後に発行されるレシートをもとに、受け取った体験の約3割相当を返礼品として指定し、その差額を後から寄付する仕組みを利用できます。これによって、物品の在庫や配送の問題を回避しつつ、寄付の間口を広げることが期待されています。
住民・来訪者への具体的な影響
- 鹿島アントラーズの観戦チケットを購入して試合を観た後でも、チケット代の一部を鹿嶋市への寄付に充当できるようになる見込み。チケット販売のタイミングや座席確保の課題がある中で、寄付の新たな形を提供する。
- 宿泊や飲食、体験型のサービスを提供する地元事業者は、来訪者の消費がそのまま寄付につながる可能性が高まり、地域内の消費循環促進が期待される。
- 物理的な返礼品の配送負担が軽減されるため、品切れや発送遅延による寄付機会の損失が減る可能性がある。
運用上のポイントと利用方法
「あとふる」の利用者は、対象の事業所で発行されるレシートや領収書を所定の手続きに沿って申請し、指定した返礼品の相当分を後から寄付する仕組みです。詳細や対象事業者の一覧はサービス側の自治体ページで公表されます。鹿嶋市でも導入に合わせて対象施設を登録し、観戦チケットの取り扱い方法や申請フローなどを周知していく見通しです。
| 項目 | 現状・予定 |
|---|---|
| 寄付受入額(令和6年度) | 約3.5億円 |
| 市の目標(令和8年度) | 10億円 |
| 導入サービス | あとふる(後納型ふるさと納税) |
| 対象例 | 宿泊、飲食、体験、鹿島アントラーズ観戦チケット |
自治体と事業者の役割、今後の課題
鹿嶋市は今回の導入で、観光やスポーツ観戦といった現地消費を寄付へつなげる仕組みを整えますが、運用面ではいくつかの課題が残ります。たとえば、チケットを対象にする場合は座席確保と寄付のタイミング調整、返礼品の価値換算や不正利用防止の仕組み作りが必要です。また、地元事業者側にとってはレシート発行や参加手続きの負担、寄付の収益配分に関する理解と合意形成が求められます。
一方で、体験型返礼品の拡充は観光分野の魅力を伝える有効な手段です。市はこの仕組みを活用して、地元事業者との連携を強め、リピーター誘致や滞在時間延伸、周辺消費の拡大を図る狙いがあります。
利用を検討する人への案内
利用を考える場合は、まず対象となる施設やチケットが「あとふる」の登録対象であるかを確認してください。鹿嶋市のふるさと納税情報や、あとふるの自治体ページで最新の導入状況や手続き案内が掲載される予定です。案内ページや公式SNSでサービス開始時期や詳細が順次発表されます。
参考情報:鹿嶋市のふるさと納税案内や「あとふる」サービスページで最新情報を確認してください。
(取材・文:プレスリリースジェーピー茨城県担当記者 中村 智子)