県教委の調査で明らかになった実態
福島県で生徒らを乗せたバス事故が起きたことを受け、香川県教育委員会は県立高校における部活動の移動実態を点検しました。調査対象は県内の県立高校29校すべてで、2025年度に行われた練習や試合などの移動が対象です。集計の結果、学校が把握している県内外の移動は合計で1万945件にのぼり、大部分については法令上の問題は確認されませんでした。
内部規定に抵触したケースの内容
一方で、学校の内部規定に反する運行や手配があった事例が15件確認されました。具体的には、教職員や外部指導者がレンタカーを使って生徒を輸送した事例、保護者が知人から借りたマイクロバスを運転して生徒らを移送した事例などが含まれています。これらは各校や県教委の定める安全基準や手配ルールに抵触するため、問題があると判断されました。
安全管理上の懸念として整理された事例
規定違反には該当しないものの、安全面で問題があると県教委が指摘した事例も報告されています。例えば、学校が保護者に複数の生徒の乗り合わせを依頼する形で移動を手配したケースや、県外での遠征において学校側が移動手段の手配や確認に関与していなかったケースなどです。これらは直接的に規定を破るわけではありませんが、リスクを高めうる運用上の不備と位置づけられています。
- 調査対象:県立高校29校の全部活動
- 調査対象期間:2025年度の活動に伴う移動
- 調査結果の主な数値:合計移動件数 1万945件、規定抵触事例 15件
県教委の対応と通知事項
県教育委員会は調査結果と国からの通知を踏まえ、全県立学校の校長宛てに安全管理の再徹底を要請する通知を7月21日付で出しました。同通知では、レンタカー利用時の留意点や運転者手配の確認方法など具体的な安全管理の注意点が示されたと報告されています。県教委は、各校に対して規定の順守だけでなく、安全の観点からの運用改善を求めています。
| 項目 | 数 |
|---|---|
| 対象校数 | 29校 |
| 集計移動件数 | 10,945件 |
| 内部規定に抵触した事例 | 15件 |
地域への影響と現場の実務面
今回の調査で示された事例は、遠征や送迎を伴う部活動が多い香川県の現場運用に直接関係します。中でもレンタカーでの輸送や、保護者などを通じた私的な車両の手配は、運転者の運転技能や保険の適用範囲、点検整備の履歴確認などが十分でない可能性があり、事故発生時の被害拡大のリスクを含んでいます。保護者の負担や学校側の対応の仕方によっては、生徒の移動に不安を感じる家庭も出てくるでしょう。
校長や顧問教員には、以下の点が実務上の留意点として求められます:
- 移動に用いる車両と運転者の適正確認(保険、免許、整備履歴等)
- 外部指導者や保護者が関与する場合の責任範囲の明確化
- 学校が手配しない移動についての保護者への事前説明と同意取得
今後に向けた課題と見通し
県教委は通知を通じて安全管理の徹底を図る方針ですが、実効性を高めるには各校での運用ルールの具体化や保護者との連携強化が必要です。例えば、レンタカー利用時の運転者要件を明文化する、学校が主導する移動手段を基本とし代替手段の条件を厳格化する、といった運用面の見直しが考えられます。また、部活動の遠征や試合で県外に移動する際の手配責任とチェック体制を明確にすることも重要です。
地元の保護者や生徒にとっては、学校からの情報提供が平時から整備されることが安心につながります。県教委と学校が具体的な基準や手順を共有し、教職員の負担を増やさずに安全性を高める仕組み作りが求められます。調査で確認された15件の事例は数としては限られていますが、重大事故を未然に防ぐ観点からは軽視できない指摘です。
今後、県教委は各校の報告状況を踏まえて追加の指導や周知を行う見込みです。保護者や指導者は学校からの案内に注意を払い、移動の際の運転者情報や車両の安全確認を求めるなど、当事者としての確認を怠らないことが重要です。