地元・福井で開業した元幕下の店、相撲経験を味に
福井県坂井市春江町出身の元大相撲力士、越ノ龍(本名・佐々木敏彦、47)が、今年5月に地元でちゃんこ鍋店「季節料理ちゃんこ越ノ龍」を開業した。越ノ龍は1995年に初土俵を踏み、最高位は幕下三十四枚目。2024年に角界を引退し、長年務めた“ちゃんこ長”としての経験を生かし、飲食店経営者として第二の人生を始めている。
店の看板メニューは鶏ガラをじっくり煮出したスープをベースにした塩味ちゃんこ。地元メディアの取材では、鶏ガラを約3時間かけてだしを取り、ベースは塩味であることを強調している。越ノ龍自身は部屋でちゃんこをまとめる役割を長く担ってきたことから、鍋の調理と味付けには自信を見せている。
- 開業時期:2024年5月
- 店名:季節料理ちゃんこ越ノ龍
- 特色:鶏ガラだしを用いた塩味ベースのちゃんこ鍋
店では、看板メニューの「横綱コース」に鶏肉や鶏団子、ダイコンやキャベツなど野菜をふんだんに入れた鍋を提供している。相撲の世界観を伝える演出として、相撲甚句の一節を記した短冊を添えるなど、角界出身者ならではのねらいも取り入れている。
地域にもたらす波及効果と期待
地元出身の元力士が帰郷して店を開くことは、地域経済や観光に一定の波及効果が期待できる。越ノ龍は県内出身の力士が少ないこともあり、地元で相撲ファンの関心を集める存在だ。取材では「相撲が好きな方が多いので、いろんな話が出来れば恩返しになる」との考えを示しており、相撲ファンの来訪や、メディアを通じた紹介による集客効果が見込まれる。
また、共同経営者の北村氏は、料理を担当する立場から食への思いを語り、「人間性で寄ってくる客が多いので、笑顔あふれる店になっていくのでは」と述べている。地元での雇用創出や飲食店ネットワークとの連携、地域の食文化振興といった副次的効果も期待される。
店の魅力と実用情報
実際に提供される料理は、相撲部屋で培った味と調理法が基礎にある。鶏ガラを複数使ってじっくりだしを取る方法や、塩味をベースにしたシンプルな味付けは、冬場の鍋料理としてだけでなく、体にやさしく季節を問わず支持される可能性がある。
「ベースは塩。一番さっぱりして美味しい。アレンジしても良いけど、自分はシンプルが一番いいと思う」
この言葉は越ノ龍が鍋の味づくりに対して示した考えを端的に表している。具体的には次の点が来店前に知っておくと役立つ情報だ。
- 料理の特徴:鶏ガラを時間をかけて煮出したスープを塩味で提供
- 主な具材例:「横綱コース」では鶏肉、鶏団子、ダイコン、キャベツなど
- 角界らしさ:相撲甚句の短冊などの演出で相撲文化を体験可能
背景と越ノ龍の来歴
佐々木さんは坂井市春江町の出身。中学生時代に相撲の全国大会でスカウトされ、中学卒業後に角界入りした。1995年に初土俵を踏み、その後約30年にわたって取り組みを重ね、通算で1200以上の取組を経験した。現役時代には藤島部屋に所属し、同部屋では食事当番=ちゃんこ番のまとめ役、すなわち“ちゃんこ長”を務めていた。こうした長年の経験が、今回の味づくりと店運営に直結している。
現役時代の思い出や関取時代のエピソードなどは地元の話題性を高める要素となるが、店舗運営では味の安定や客対応が長期的な成功の鍵となる。越ノ龍は「頭でガツンと行って前に出る相撲だったので、ビジネスでも真っ向勝負で行きたい」と意欲を示しており、地元に根ざす飲食店として地域住民の支持を得られるかが注目される。
住民への影響と今後の展望
地元での開業は、単に新しい飲食店ができるという以上に、地域コミュニティの活性化や文化継承の場としての役割を期待させる。越ノ龍は地元に戻ることを決めており、店を訪れる客との会話を通じて相撲の魅力を伝えたいという姿勢を見せている。観光客向けの誘致や地域イベントとの連携が進めば、さらなる波及効果が期待できる。
一方で、飲食店経営は常に変化する消費者ニーズや経営リスクに直面する。地元メディアによる紹介は開業直後の集客には有利だが、リピーターを獲得するための味の安定、サービス、地域との連携が重要になる。越ノ龍が現役時代に培った規律とチーム運営の経験を経営にどう生かすかが、今後の課題であり注目点だ。
地域の食文化を支える一店として「季節料理ちゃんこ越ノ龍」が定着するか否かは、住民の支持と訪問者の満足度にかかっている。相撲の技術と料理人の知見を融合させたメニューが、福井の食の選択肢を広げることを期待したい。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出身 | 福井県坂井市春江町 |
| 店名 | 季節料理ちゃんこ越ノ龍 |
| 開業 | 2024年5月 |
| 主な特徴 | 鶏ガラだしの塩味ちゃんこ、相撲にちなんだ演出 |
今後、地元のイベントや広報での取り上げ、そして何より来店者の口コミが広がれば、福井ならではのちゃんこ文化が新たに育つ可能性がある。地域の食を知る一助として、また相撲文化に触れる場として、住民が気軽に足を運べる店として定着することを期待したい。