大野市が公表、跡地活用でコスモス薬品と仮契約へ
福井県大野市は、今年5月に閉館した市文化会館の跡地(解体済み)について、公募型プロポーザルの審査の結果、ドラッグストア「コスモス」を展開するコスモス薬品(福岡市)を優先交渉権者に選定したと発表した。市は今後、9月市会定例会に財産処分の議案を提出し、可決されれば仮契約が本契約へ移行する見通しとしている。
報告によると、同社は奥越地域への初の出店となり、来年5月に着工、同12月のオープンを計画している。売却対象の市有地は5,981平方メートル、計画されている店舗は鉄骨平屋建てで延べ床面積が1,635平方メートル、駐車場96台分を整備する予定だ。営業時間は午前10時から午後9時で、地元人材を中心に20~30人程度の雇用を見込むとされる。
「地域のインフラとして機能する」提案を示し、災害時の物資提供や避難・待機場所の提供を検討するとしている。
住民生活への直接的な影響
跡地にドラッグストアが入ることで、日常の買い物利便性が高まることが想定される。市文化会館は閉館前、災害時の指定避難所であった経緯があるため、市は事業者に対し、災害対応機能を有する提案を求めていた。コスモス薬品は、災害時に物資提供を行う支援協定の締結や、駐車場や店舗内を一時的な避難・待機場所として提供することを検討しているという。これらは、地域の防災力を補完する役割を果たす可能性がある。
同時に、地域雇用の創出が明記されている点も注目される。地元からの採用を中心に20~30人程度の雇用が見込まれており、正社員の採用にも取り組むとしている。市内の商業地形や働き手の受け皿という観点で、地元経済への影響は限定的ではない。
市の審査と手続きの現状
市の説明では、4月からの公募に2事業者が応募し、8月7日に審査委員会を開いて、提案内容、地域貢献、買い受け希望価格などを総合的に評価した結果、同社が優先交渉権者に選定された。8月25日に同社と土地売買の仮契約を締結している。売買代金について市は現時点で公表していないが、最低売却価格は9,510万円に設定していた。
市は、会館の解体後に土地を引き渡す予定としており、現時点では来年3月ごろの引き渡しを見込んでいる。跡地への新施設建設が予定通り進めば、地域住民の生活利便性と災害時対応力に変化が生じる。
検討が続く地域要望と懸案
市は当初、事業者に対して地域住民が利用できる集会スペースの整備を要望していたが、今回の提案では同社からその具体的な提案はなかったという。文化会館が担っていた公共的な集会機能について、自治会や市民団体がどのように代替施設を確保するかは今後の課題となる。
また、災害時の指定避難所としての役割があった施設が民間店舗へと転用される際、避難所機能の確保や連携方法について、市と事業者、地域の合意形成が重要になる。コスモス薬品は災害時支援の提案を示しているが、具体的な支援協定の内容や運用方法、避難スペースの使用条件などは、今後の協議で詰める必要がある。
- 着工予定:来年5月、開店予定:同12月
- 敷地面積:5,981平方メートル、店舗延べ床面積:1,635平方メートル
- 駐車場:96台分、営業時間:午前10時〜午後9時
- 雇用見込み:20〜30人程度、正社員採用にも取り組む
今回の選定は、商業的利便性と地域貢献の両面を評価した上での決定とされるが、住民生活や防災体制にとって重要な点は、今後の具体的な協定や運用の取り決めだ。議会の承認や本契約の締結後に、より詳細な計画が示されることが期待される。
市は9月の市会で財産処分に関する議案を提出する予定で、可決されれば仮契約が本契約へ移行する。会館の解体は既に行われており、土地の引き渡しは来年3月ごろを見込むとしている。
住民、商店、自治会など関係者は、今後示される詳細計画や災害時支援の取り決めに注目する必要がある。公共的機能の所在や集会スペースの確保といった点は、市と事業者、地域が協議して解決していくべき課題である。
(林 佳奈・プレスリリースジェーピー福井県担当)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業者 | コスモス薬品(福岡市) |
| 売却地面積 | 5,981平方メートル |
| 店舗延べ床面積 | 1,635平方メートル |
| 駐車場 | 96台分 |
| 営業時間 | 午前10時〜午後9時 |
| 雇用見込み | 20〜30人程度 |
| 最低売却価格 | 9,510万円(設定) |