全東信破産で静岡の店舗にも支払い・入金の混乱
大阪市に本社を置くクレジットカード決済代行会社「全東信」の破産手続き開始決定を受け、同社が提供する決済端末が利用できなくなり、静岡県内でもカード決済ができない店舗が出ている。全東信は加盟店数を約20万店とする大手の代行業者で、報道によれば破産による負債総額は1151億円以上とされる。
全東信は、加盟店に対してカード会社からの入金を立て替えて速やかに支払うサービスを特徴としており、通常より早い入金サイクルを売りにしていた。だが破産により端末の利用停止だけでなく、すでに発生した売上金の未払いが問題化している。報道では、全国の加盟店のうち約2万店舗で7月1日以降の売上金が未払いとなり、その規模は約53億円にのぼると伝えられている。
「これからしばらくカードが使えなくなってしまうので、お客様に理解してもらえるのか不安」
この声は静岡市葵区の店舗経営者が示した現場の実情を表している。取材に対して同店主は、当初6月分の半月分が7月15日に入る予定であった一部が入金されるか不明で、未回収分の影響は約180万円にのぼるとの試算を示している。カード決済を前提とした予約客への対応や日々の資金繰りに直結するため、影響は中小事業者にとって深刻だ。
報道では、別の店舗関係者からも「(客の)8割がカード決済」といった話が伝えられており、現金決済に切り替える際の手間や客対応の負担、代替の決済代行会社への切替手続きが混雑している点が指摘されている。新たな代行業者への申請は混雑のため決済再開までにおよそ2週間程度を要する見込みともされる。
金融機関や政府の対応、地元への影響の骨格
東京商工リサーチの報道では、全東信が粉飾決算の疑いで長期間にわたり業績を偽装していた可能性が指摘され、複数の金融機関が同社に融資していた。報道によれば金融機関63社の融資総額は1130億円超に達するという。静岡に本店を置く静岡銀行は同社に対する融資額を公表していないが、報道では同行が約8億6400万円を融資していたことが示されているとされ、静岡地域金融機関と地元企業の関係にも影響が及ぶ可能性がある。
政府は影響を受ける事業者の資金繰り支援や事業継続を図るため、赤沢経済産業大臣の下、7月10日から全国378か所の政府系金融機関などに特別相談窓口を設置すると発表した。これは事業者が資金繰り相談や支援策を速やかに受けられるようにするための措置だが、現場では具体的な補填方法や未入金の取り扱いについて不透明な点が残っている。
| 項目 | 報道で示された数値 |
|---|---|
| 全東信の加盟店数 | 約20万店 |
| 未払いが判明した店舗数 | 約2万店 |
| 未払い額(報道) | 約53億円 |
| 全東信の負債総額 | 約1151億円以上 |
静岡の中小事業者にとって重要なのは、短期的な資金繰りと決済の代替手段の確保だ。現金での受け取りや、別の決済事業者への切替手続き、銀行との相談によるつなぎ融資などを早急に検討する必要がある。報道では、被害想定や保険の適用についても不透明だとされ、事業者は税理士や取引金融機関と連携して対応策を詰めている。
住民・利用者への注意点
- 静岡県内の店舗で「カードが使えない」と表示がある場合があるため、来店前に店舗へ支払い可否を確認する。
- すでにクレジットカードで予約・事前決済を行っている場合、店舗側から連絡が行く可能性があるため、連絡先情報を確認しておく。
- 事業者側では別業者への切替に時間を要するため、当面は現金・電子マネー等の代替手段を用意する店が増える見込み。
今回の事態は、決済インフラが日常の経済活動に深く入り込んでいる現状を再確認させるものである。静岡県内の事業者は、自らの取引先や資金繰りを点検し、必要な相談窓口や支援策を速やかに活用することが求められる。今後、破産管財人の対応や政府の支援策の具体化、金融機関の対応状況により地域への影響の度合いが変わるため、事業者と利用者は最新情報に注意してほしい。