概要と実施時期
国土交通省四国地方整備局と四国4県などで構成する吉野川水系水利用連絡協議会は、上流に位置する高知県の早明浦ダムの貯水率が著しく低下していることを受け、下流の池田ダム(徳島県三好市)からの供給量を削減する第4次取水制限を8月28日午前9時から実施すると発表した。香川県への供給は60%削減、徳島県は約20%削減となる。第4次の実施は2008年以来、約18年ぶりである。
現状の貯水率と見通し
協議会の発表によれば、8月25日時点で早明浦ダムの貯水率は27.2%にとどまり、長年の平年値である81%を大きく下回っている。まとまった降雨がなければ、9月上旬に向けて貯水率がさらに低下し、最悪の場合は0%となる見込みだという。このため、協議会は貯水が枯渇した段階で発電用水を生活用水に回すための調整を電源開発(Jパワー)や四国電力に要請する方針を示している。
貯水率は27・2%で、平年の81%を大きく下回っている。
香川県内への具体的影響
香川県では市町村単位での給水調整や節水呼びかけが想定される。水道事業を運営する各自治体や企業は、供給量の削減に伴い以下のような対応を迫られる可能性がある:
- 上水道の一部時間帯における給水制限や給湯器の使用制限の検討
- 工場や事業所への取水割当の見直しによる生産調整
- 農業用水の配分見直し、特に夏秋作の灌漑(かんがい)に対する影響
香川県民の日常生活ではシャワーや風呂、洗濯などの使用量抑制が要請されるほか、自治体によっては「節水ポイント」や注意喚起の情報が順次出される見込みだ。給水が不安定になると、消火活動や医療機関の運営にも支障が出る恐れがあるため、自治体は優先度の高い用途を維持するための詳細な配分計画を急ぐ必要がある。
農業・産業への波及と対策
香川県内の農業分野では夏から秋にかけての水需要が高い。取水制限が長引けば、施設園芸、露地野菜、米作などで灌漑不足が生じ、作物の生育や収量に影響が出る可能性がある。工場や商業施設も生産ラインや清掃工程の見直しを迫られ、経済活動全体に波及する恐れがある。
対応策として想定されるものは次の通りだ。
| 分野 | 主な対策 |
|---|---|
| 家庭 | 節水型機器の使用促進、入浴回数や洗浄頻度の抑制 |
| 農業 | 効率的な灌漑法への切替、作付け計画の再検討 |
| 企業 | 生産スケジュールの調整、工場内の水循環設備導入 |
自治体・事業者の対応と住民への助言
各自治体は今後、給水制限の対象地区や時間帯を公表するとともに、節水の具体的な方法を住民に示す必要がある。目立った注意点は以下の通りだ:
- 日常的な節水行動(歯磨き時の蛇口閉止、食器洗いの際の水ため洗い)
- 雨水利用や貯水タンクの活用(自治体が推奨する場合)
- 高齢者や医療機関への優先供給の確保に向けた周知と連絡体制の整備
住民は自治体の発表する最新情報を確認し、無駄な水の使用を避けることが即効性のある対策となる。
背景と今後の見通し
四国地方では梅雨以降の降水量が平年を大きく下回り、上流ダムの貯水が回復していない。早明浦ダムは吉野川水系の中でも重要な水源で、そこからの流量が減ると下流域全体の水管理が厳しくなる。関係機関は今後の降雨状況を注視するとともに、必要があれば更なる制限段階に移行する可能性を示唆している。
住民・事業者にとって当面の対応は、自治体から出される具体的な指示に従い、節水を継続することだ。特に家庭では日常的な節水習慣を定着させることで、供給逼迫時のリスクを分散できる。行政は短期的な応急対策に加え、中長期的に水利用の効率化や水資源確保の取り組みを進める必要がある。
(藤井 一郎)