札幌中心部に地上26階の複合ビルが完成
札幌市中央区の旧北海道放送(HBC)社屋跡地に、新たな複合ビル「アーバンネット札幌リンクタワー」が完成した。ノース棟は地上26階、サウス棟は7階建ての構成で、オフィス、商業施設、ホテル、スタートアップ支援という4つの機能を併せ持つ点が特徴だ。運営主体のNTT都市開発は、中心部の回遊性向上や新たな集客拠点の形成を目指すとしている。
ビルの上層階には、道内では初進出となるホテル「ハイアットセントリック札幌」が入居する予定で、地下1階から2階には複数の飲食店が出店する。飲食店については9月以降に順次オープンする計画だとされている。
- 場所:札幌市中央区(HBC旧社屋跡地、道庁南エリア)
- 構成:ノース(地上26階)/サウス(7階)
- 主な機能:オフィス、ホテル、商業、スタートアップ支援
- 飲食店オープン時期:9月以降順次
「いろいろな人に訪れてもらう、一緒にいろいろなことを始めることで、新しい札幌の価値・魅力を出していきたい」――NTT都市開発・池田康社長
開発側は、ただの商業施設ではなくスタートアップ支援の機能を設けることで、札幌の産業活性化を意図していると説明している。NTT都市開発北海道支店の田畑支店長も、オフィスやホテル、商業店舗、スタートアップ支援を1つのビルに凝縮した点を強調した。
また建物には、セキュリティカードを用いて目的階に最適なエレベーターを自動で割り当てる「スマートエレベーター」など、最新の設備が導入されていることが報じられている。こうした機能は、来訪者の動線効率化やセキュリティ面での利便性向上を狙ったものだ。
| 棟 | 階数 | 主な用途 |
|---|---|---|
| ノース | 地上26階 | ホテル(上層階)、オフィス、商業 |
| サウス | 7階 | オフィス、商業、支援施設 |
今回の完成は、札幌中心部の再開発が進む流れの中での節目となる。立地する道庁南エリアは大通公園と札幌駅を結ぶ重要な動線上にあり、観光やビジネス客の導線上に位置する。ホテルの道内初進出により、これまで札幌に宿泊需要を喚起しにくかった一部の国際ブランドや都市型ホテル市場に影響を与える可能性がある。
住民や企業への影響は多岐にわたる。商業スペースが稼働すれば周辺の飲食店や物販店の競争環境が変化し、地元の買い物・飲食動向にも影響が及ぶ。オフィスフロアが稼働することで、周辺の通勤時間帯の人流が増え、公共交通機関や近隣の歩行空間に対する需要が高まることが予想される。一方で、スタートアップ支援拠点の設置は、地元企業や起業家にとってはネットワーキングや資金・人材獲得の好機となる可能性がある。
地元住民が知っておくべき実用情報としては、以下が挙げられる。
- 商業・飲食フロアの一部は9月1日以降に順次オープンする予定で、詳細な出店テナントや営業開始日は今後発表される見込み。飲食店の展開スケジュールは段階的になりそうだ。
- ホテルの開業時期や宿泊プランについては、運営側からの正式発表を待つ必要がある。道内初進出のブランドが入るため、宿泊需要の変化を注視したい。
- 新たなオフィス供給は、札幌市内のオフィス需給バランスや賃料動向に影響を与える可能性がある。特に中心部のオフィス不足が指摘される中での供給増は注目点だ。
今回の竣工は、札幌中心部の再開発が進む流れの一端を象徴している。過去数年で複合ビルの開発が相次いでいる背景には、オフィス需要の変化や観光客の回復、スタートアップ支援の ニーズなど複数の要因が絡んでいる。報道では、千歳空港関連の動きが札幌市内のオフィス需給に影響を与えているとの指摘(「ラピダス効果」など)も取り上げられており、今回のビル完成はそうした広域的な構図とも連動している。
今後は、テナントの具体的な顔ぶれや各施設のオープン日程、地域交通への影響評価などが明らかになるにつれ、住民生活への実感としての変化が生じるだろう。商業面では新しい飲食店が集客を見込める一方で、既存の商店街や飲食店との共存・競争の課題も出てくる。
行政や関係事業者が地域の動線や公共交通、歩行者空間の整備をどう進めるか、それに伴う防災・避難計画や交通対策がどのように講じられるかも注目点だ。再開発が周辺住民の利便性向上につながる一方、混雑や生活環境の変化に対する配慮が求められる。
札幌中心部の顔がまた一つ変わる今回の完成。飲食店の開業やホテル稼働の時期、テナント構成の詳細は今後の発表を踏まえて追って報告する。