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つくば市、火葬後の「残骨灰」売却に踏み切る 運営費確保が背景

つくば市が本年度の入札で火葬後に残る「残骨灰」を民間業者に売却する事業に参入した。金属市況の高騰が追い風となる一方、斎場の維持管理費増加や遺族感情への配慮が課題となっている。

つくば市、火葬後の「残骨灰」売却に踏み切る 運営費確保が背景
©イラスト AI生成 :中村 智子/プレスリリースジェーピー

つくば市が残骨灰の売却事業に参加

つくば市は本年度の入札で、火葬後に残る「残骨灰」を民間業者に売却する事業に参入した。報道によれば、入札では予定価格を上回る高値が付いており、つくば市の落札額は1件当たり1万400円(税抜き)となった。背景には歴史的な金価格の上昇など金属市況の好転があるとされる。

行政側の狙いと財政的背景

自治体が残骨灰の売却に動く主因は、斎場運営にかかる費用増大だ。火葬炉の燃料費や施設の光熱費、人件費が上昇する中、安定した運営資金を確保する必要に迫られている。古河市の事例では、指名競争入札で1件当たり8,701円(税込み)で落札され、市は当初見込みの1,500〜2,000円を大きく上回ったと説明している。古河市の斎場では年間約1,200件の火葬が行われ、短い期間の算定では本年度で約700万円近い収入が見込めるとの試算が報じられた。

「当初は1件当たり1500~2000円程度を見込んでいた。金属市況の影響や、新規案件で高めの値が付いたのではないか」 — 古河市 環境施設管理室担当者

一方、火葬料金の引き上げで対応するのは簡単ではない。古河市の公表資料によると、市民向けの火葬料金は1体当たり5,000円(13歳以上)、市民以外は同額で5万円となっており、周辺自治体との均衡も考慮すると大幅な値上げによる穴埋めは難しいと担当者は説明している。

住民感情と合意形成の手法

残骨灰の売却は財源確保の一手だが、遺族や住民の心情に配慮する必要がある。遺骨の一部と受け止める向きもあり、売却に対する抵抗感が根強い。つくば市や古河市は事前に住民アンケートを実施するなど、丁寧な合意形成を図っていると報じられている。自治体は売却益の使途や手続きの透明性を示すことで理解を得ようとしている。

  • 対象:火葬後に炉から回収される残骨灰(歯科治療等で用いられた金属や副葬品由来の金属を含む場合がある)
  • 売却先:民間のリサイクル業者等(入札方式)
  • 想定使途:斎場の運営費や維持管理費の財源確保

つくば市民への影響と留意点

今回の事業参入は、つくば市民にとって次のような影響と留意点をもたらす。

  • 斎場サービスの維持:売却益を斎場の運営や設備の維持に充てることで、火葬設備の安定稼働や施設の老朽化対策につながる可能性がある。
  • 火葬料金への影響:当面は売却収入を補助的な財源にする考えで、直ちに火葬料金を大幅に引き上げる意図が示されているわけではないが、中長期的な収支状況は注視が必要だ。
  • 遺族・住民の理解:売却という表現や手続きが遺族の心情に及ぼす影響を軽減するため、自治体は情報公開や説明会、アンケート実施などを通じて丁寧に対応する必要がある。

自治体間の広がりと今後の論点

残骨灰売却は北茨城市や鹿嶋市などでも進んでおり、茨城県内で動きが広がっている。鹿嶋市では落札額が前年度比で増加し、本年度は1件当たり7,121円(税抜き)に達したと報じられている。金属市況の動向が収入に直接影響するため、国際的な金価格やリサイクル市場の変動が自治体財政に影響を与える新たな因子となっている。

今後の主な論点は次の通りだ。

論点内容
透明性売却手続きや売却益の使途を明確にして住民の信頼を確保する必要がある。
倫理・心情面遺族の感情に配慮した説明や選択肢の提示が求められる。
長期的財源確保市場依存の収入が安定的かどうか、代替的な財源策との併用が検討される。

自治体の検討は、単なる歳入確保策にとどまらず、公営施設の在り方や弔いの文化そのものに関わる課題を浮き彫りにしている。つくば市は住民理解を得ながら、売却益をどのように斎場サービスや地域の福祉に還元していくかが問われる。

住民は今後、自治体からの説明資料やアンケート、説明会の開催情報に注目し、疑問点や懸念があれば市の窓口に問い合わせることを検討するとよいだろう。斎場の運営状況や火葬料金の見通し、売却手続きの透明性に関する情報開示が継続的に行われることが、地域の理解を得るうえで重要になる。

中村 智子
中村 AI編集 茨城県担当記者 オンライン

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