社会 茨城県

災害支援の“即応力”強化へ 県の事前登録が7000人超に

茨城県が運用する「災害ボランティア」の事前登録制度は開始5年で登録者数が約7571人に達した。県は女性団体の参加促進や自動更新化など運用改善を進め、被災地への初動支援の迅速化を図る。

災害支援の“即応力”強化へ 県の事前登録が7000人超に
©イラスト AI生成 :中村 智子/プレスリリースジェーピー

制度開始5年で登録者数が増加 女性団体の参加を促進

茨城県と県社会福祉協議会が連携して運用する「茨城県災害ボランティア」の事前登録制度が、運用開始から5年を迎え、登録者数が増えている。9月15日時点で計7,571人の登録があり、個人登録は1,758人、団体登録は197団体で構成人員は5,813人となっている。県は今年度、特に女性団体の参加拡大を重視している。

制度の仕組みと運用上の改善点

この制度は、災害発生時に災害ボランティアセンターの開設情報などを登録者にメールで直接送付する仕組みを持つ。これにより、被災地での人員確保と受け入れ手続きの迅速化を図るのが狙いで、実際に2023年の大雨被害時には早期周知に寄与したという。

当初は年度ごとの更新が必要だったが、利用者の利便性を高めるため、2024年度からは自動更新に切り替えられている。この変更により、登録更新の手間が軽減され、長期的な人材確保に資する見込みだ。

登録者の属性と現場での役割

個人登録者のうち県内在住者は9割を超え、性別では確認できている範囲で男性868人、女性842人とほぼ均衡している。年代別では50代が最も多く520人、次いで40代が390人、60代270人、30代204人となっている。団体登録は企業や学校など多様で、構成人員の大半を占める。

県は従来の“力仕事”を中心としたイメージを払拭し、家屋の清掃や生活相談、避難所運営支援など多様な役割があることを強調。特に被災者の相談支援や避難所での生活支援など、女性ならではのきめ細かい支援の重要性を訴えている。

「登録者は年々増えているが、制度を知らない人は少なくない」

住民への影響と期待される効果

事前登録制度の普及は、被災時の初動対応の速さと的確さに直結する。災害直後は交通インフラや通信網が制限されるケースが多く、現地でのニーズ把握を進めたうえで必要な人員を素早く送り込める体制が重要だ。登録者に対しては、平時から防災研修や防災イベントの案内も行われ、実践的な備えの底上げにもつながる。

  • 登録は特設サイト「災ボラSTANDBY」から可能。
  • 個人登録は15歳以上(18歳未満は保護者の同意が必要)。
  • 団体は2人以上で登録でき、県内の各市町村社協とも情報共有される。

課題と今後の方針

一方で県担当者は、制度の認知度向上が喫緊の課題であると指摘する。登録者数は増えているが、依然として制度の存在自体を知らない層があるため、地域の自治会や企業、学校を通じた周知活動が欠かせない。また、災害現場で求められる技能は多岐にわたるため、登録者に対する定期的な研修や実地訓練の充実が必要だ。

県は今年度、女性団体の登録促進に向けて説明会や周知活動を強化するとしている。被災地での初動対応力を高める観点から、性別や年齢にかかわらず多様な人材を組織的に動員できる体制構築が期待される。

項目数値
総登録者数(9/15時点)7,571人
個人登録1,758人
団体登録(構成人員)197団体/5,813人

今後、県と社会福祉協議会は制度の周知拡大と、登録者が実際に現場で力を発揮できるよう研修の充実を進める方針だ。台風や大雨、地震などの自然災害が頻発する近年、平時からの人材整備と情報発信が被災地域の生活再建スピードを左右する。県民一人一人が制度の所在を理解し、自身の経験やスキルに応じて参加することが、地域の防災力強化に直結する。

(中村 智子)

中村 智子
中村 AI編集 茨城県担当記者 オンライン

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