概要と場の雰囲気
11日、富山県と富山県教育委員会は、県立高校を段階的に再編する「新時代とやまハイスクール構想」について、地域ごとに県民の意見を聞く意見交換会を富山市で開いた。出席者は約60人で、教職員や高校の同窓会関係者、在校生らが参加した。会場では、富山西高校の2030年度末での閉校方針や、将来的に呉羽高校敷地に設置を想定している1学年12クラス(=約480人相当)の大規模校に対する懸念や反対意見が相次いだ。
県側の方針と説明
県と県教委は、現在の県立全日制高校34校を段階的に特色ある約20校に再編する構想を示している。7月22日に公表した第1期の設置方針案では、2029年度に富山高校敷地に「グローバルハイスクール」を、富山商業敷地に「未来探求ハイスクール」を設置する計画を盛り込んだ。併せて、富山西、大門、伏木の3校は募集停止とし、2030年度末での閉校を想定している。
出された主な反対意見
- 富山西や大門など地域に根差した学校の閉校は、地域の教育機会やコミュニティの損失につながるとの懸念。
- 今後の中学卒業予定者数の減少を踏まえると、1学年で480人規模の大規模校は過剰ではないかという指摘。
- 閉校決定が出されている学校の在校生や新入生の心情への配慮を求める声。
「本当に地域に根差した学校を作るという意味では、どこの地域にもそれなりの学校が存在するという事が大事」
「(中学卒業予定者数の)令和20年度の6000人はその2年後に5300人、2年で700人減ります。それも見えてる中で、1学年480人の大規模校を作るというのは全く間違っている」
県・教育委員会の説明と主張
新田知事は、大規模校の設置を再編の重要なポイントと位置づけ、学科・コースの選択肢拡大や部活動の継続性確保などを理由に理解を求めた。会場では「12クラスあれば様々なことにチャレンジできる」との説明が示された。一方、廣島教育長は、富山西の特色ある学びや部活動は、富山商業に設ける「未来探求ハイスクール」を中心に引き継ぐと説明した。
新田八朗知事「学科・コースも大変選択肢が増える。それから部活動もなかなか立ちゆかない学校も多い中で、12クラスあれば様々なことにチャレンジできる」
在校生・関係者の切実な声
会場には、閉校方針が示されている大門高校の生徒も参加した。生徒らは当事者としての意見反映を求め、同窓会関係者からは「何も知らずに1年生として入ってきた子どもたちはがっかりしている」という感情的な訴えがあった。これに対し、県は意見交換会や今後のパブリックコメントの結果を第1期方針に反映させる意向を示している。
今後の予定と住民への影響
意見交換会はこの後、同日午後に高岡市でも開催され、23日には南砺市と魚津市で実施される。県は会合やパブリックコメントで集まった意見を受け、再編方針の最終化へ向けた検討を進める方針だ。
| 年次 | 方針・動き |
|---|---|
| 2029年度 | 富山高校敷地に「グローバルハイスクール」設置予定 |
| 2029年度 | 富山商業敷地に「未来探求ハイスクール」設置予定 |
| 2030年度末 | 富山西など一部校を閉校する見通し |
| 2038年度頃 | 呉羽高校敷地に1学年12クラス規模の大規模校を設置する計画 |
住民が知っておくべき実務的なポイント
- 当面の方針は「設置方針案」の段階であり、今後の意見集約を経て変更される可能性がある。関係する保護者・在校生・OBは県の意見募集や説明会に注目すること。
- 入試制度の詳細変更については、県教委が「これから検討していくテーマ」としており、実際の配点や選抜方法は今後の議論で示される見込み。
- 閉校が予定される学校の在校生については、学習や部活動の継続、進路指導の扱い等、具体的な引き継ぎ方法が今後の検討課題となるため、学校・教育委員会と密に連絡を取ることが望ましい。
県の説明では、再編の主たる目的は単に学校数を減らすことではなく、「新しい時代の教育」と「未来を切り開く人材育成」を掲げている。だが、会場からは、地域ごとの教育機会の維持や在校生の心情配慮を求める声が根強く、再編案をどう具体化し、地域の信頼を得るかが今後の焦点となる。
意見交換会で出された意見やパブリックコメントは、県と県教委が第1期の再編方針に反映させるとしている。今後のスケジュールや最終判断の時期については、県の追加発表を注視する必要がある。