調査結果の概要と県教委の見解
徳島県教育委員会が公表した2026年度の全国学力・学習状況調査の結果で、県内公立小学校6年生と中学校3年生は主要教科の平均正答率が全国平均を下回った。具体的には、小学6年の国語が60%(全国60.9%)、算数が54%(同56.4%)。中学3年は国語が62%(同63.9%)、数学が56%(同57.0%)となっている。県教委は結果を受け、指導方法の改善や教員研修の充実を図る方針を示した。
教科別の弱点と背景
教科ごとの設問別にみると、国語では文章から情報を引用して自分の考えをまとめる問題や、語句の意味を文脈に沿って読み取る問題で正答率が低かった。算数・数学では、表やグラフなどのデータを読み取り、その内容を根拠とともに説明する力が問われる問題で苦戦が目立った。英語では、英語で自分の考えとその理由を記述する問題で正答率が低く、英語運用力の育成が課題となっている。
「必要な情報を読み取り、整理し、条件に沿って表現する力に課題が見られる」
県教委義務教育課はこう分析し、今後は調査結果と学習状況調査の関連を詳しく解析した上で、模擬授業を取り入れた教員研修など授業改善策に結びつけたいと述べている。
データの要点
| 学年・教科 | 徳島県(%) | 全国平均(%) |
|---|---|---|
| 小6 国語 | 60 | 60.9 |
| 小6 算数 | 54 | 56.4 |
| 中3 国語 | 62 | 63.9 |
| 中3 数学 | 56 | 57.0 |
学習状況調査の結果と教育現場への示唆
同時に実施された学習状況調査では、学校生活や学習習慣に関する設問も公表された。たとえば「学校に行くのは楽しい」と答えた割合は小学校で51.2%、中学校で46.7%と全国平均を上回る一方、「わからないことがあったときに自分で学び方を考え、工夫できる」と答えた割合は小学校で25.5%、中学校で21.8%と全国平均を下回っている。学習に対する主体性や思考の組み立て方に弱さが見られ、学力低下の一因と考えられる。
- 思考力や表現力を問う設問での正答率低下が目立つ。
- 学校生活への満足度は比較的高いが、自主的な学び方の能力が不足している。
- 県教委は結果を踏まえ、教員研修や授業改善に取り組む予定。
地域への影響と今後の対応
今回の結果は保護者や地域が子どもの学力について再考するきっかけとなる。学力は将来の進学や就業に直結するため、自治体や学校、家庭が連携して基礎学力の定着と思考力の育成を図る必要がある。県教委は、教員向けの研修に模擬授業を導入するほか、データ分析に基づいた指導改善を進めるとしているが、具体的な実施時期や対象、評価の方法は今後詰める方針だ。
現場の教員からは、授業時間の制約や児童生徒の学習時間の確保、補習や支援の体制整備を求める声も上がる。保護者側では家庭学習の支援の仕方や地域学習支援(放課後学習、学習塾との連携など)に関する関心が高まるだろう。県内の市町村教育委員会や学校は個別の状況を踏まえた対策を検討する必要がある。
記者の視点—具体的に何が変わるか
短期的には、県教委が示す研修やモデル授業の導入状況、学校ごとの対応方針が注目点となる。中長期では、授業実践の改善が定着するか、学力データが年次で改善に向かうかを検証する必要がある。保護者は、学校が提示する学習支援策や家庭での学習機会の提供について情報を確認するとともに、地域レベルでの学習支援の動きを注視することが求められる。
徳島県の教育の質向上には、データに基づく具体的な授業改善と、家庭・地域との連携が不可欠だ。県教委は今回の調査結果を出発点として、数値の改善だけでなく、子どもたちが自ら学び表現する力を育てる実践を進めることが期待される。