県が上水道5%、工業・農業用水10%の取水制限を実施
静岡県は、少雨による佐久間ダムの貯水率低下を受けて、天竜川水系で21日から取水制限を実施したと発表しました。制限の内容は上水道で5%、工業用水と農業用水でそれぞれ10%となっています。県は現時点で一般家庭に対する給水停止を行っていない一方で、節水の協力を求めています。
今回の取水制限は、かんがい期に行われるものとしては2017年7月以来のことであり、地域の農業生産や工場の操業、日常生活に短中期的な影響を与える可能性があります。ダム貯水率の低下が続くようであれば、追加の措置や更なる制限が検討される見込みです。
「いつも以上に水を大切に使ってほしい」
県の呼びかけは明確で、家庭・事業所ともに水使用の見直しが求められます。特にかんがい期の制限は農家にとって水利用の計画に直結するため、稲作などの生育管理に影響が出る恐れがあります。
住民・事業者がとるべき具体的行動
- 家庭ではシャワー時間の短縮、食器洗いや洗濯のまとめ洗い、トイレの洗浄水節約(節水型の利用)など日常的な節水を徹底する。
- 事業所や工場は冷却水や洗浄水の再使用、工程見直しによる使用量削減、予備の給水ルートや貯水体制の確認を行う。
- 農業者は灌漑計画の見直し、代替灌漑法(滴下灌漑など)の導入検討、県や農協との連携で優先配水の調整を図る。
以下の表は、今回発表された取水制限の割合を示します。
| 用途 | 取水制限率 |
|---|---|
| 上水道(家庭向け供給) | 5% |
| 工業用水 | 10% |
| 農業用水(かんがい期) | 10% |
地域への影響と注意点
天竜川水系は静岡県西部の水需要を支える重要な水源で、生活用水だけでなく多くの農地や工場がこの流域の水に依存しています。今回の制限は直ちに断水を意味するものではありませんが、以下の点で影響が懸念されます。
まず、農業分野では潅漑量の削減が作物の生育に影響するおそれがあります。とくに水を多く必要とする作物や、成育段階によっては品質低下や収量減少を招く可能性があるため、農家は県や農協と密に連絡を取り、代替技術や散水計画の調整を行う必要があります。
工業分野では製造ラインでの冷却や洗浄に使う水量を削減すると、操業効率に影響が出る場合があります。工場は早急に使用水の優先順位を付け、省水設備の活用や夜間操業の見直しなどの対策を検討してください。
家庭では節水行動が求められます。特に観光シーズンやイベントで人出が増える地域では、ホテルや飲食店も節水策を徹底する必要があります。飲料水や日常生活に支障が出るほどの制限は発表されていないものの、長期化すれば影響の程度は深刻化します。
支援と情報提供の体制
県は今後の降雨状況やダムの貯水率を注視し、必要に応じて制限の見直しや追加の発表を行うとしています。住民や事業者は県の公式情報や自治体の通知をこまめに確認し、問い合わせ窓口を活用してください。地域の農協や水利組合も現場情報の共有と調整を進めます。
参考として、節水のために自治体や事業者が実施できる主要な施策は次の通りです。
- 公的施設での散水自粛、緑地の間引きや散水頻度の削減。
- 商業施設でのトイレや給湯の節水表示、節水器具の設置促進。
- 農業向けの補助制度や節水機器導入支援の案内(該当する場合、県窓口で確認を)。
現段階での状況は変動しやすく、短期的な天候回復で改善する可能性もありますが、関係者は長期化のリスクを踏まえた備えを進める必要があります。生活や事業活動に影響が出る前の備えと早めの対応が重要です。
(森 千尋、プレスリリースジェーピー静岡県担当)