県が中小企業向けに排出量の「見える化」支援を開始
滋賀県はこのほど、温室効果ガス排出量の可視化を通じた中小企業の脱炭素化支援事業をe-dash株式会社に委託したと発表した。事業名称は「温室効果ガス排出量可視化支援事業 ~経営改善ファーストステップ~ CO₂見える化トライアルしが」。県内製造業を中心とした中小企業の温室効果ガス削減の取り組みを後押しする狙いがある。
委託内容は、県内の中小企業50社に対してCO₂排出量の可視化ツール「e-dash」を無料で提供し、Scope 1・2の排出量を算定するほか、個社ごとに分析結果をまとめたフィードバックシートを提示すること。さらに、県が選定する5社については、国際的な認証基準に準じた「中小企業版SBT(Science Based Targets)」の取得に向けた申請支援や書類整理、申請の伴走支援を行うとされる。
「事業者が削減目標を設定したり削減策を検討する際には、まず温室効果ガス排出量の算定(可視化)が必須である」と県は説明している。
第1回の脱炭素経営セミナー(入門編)は2026年7月21日(火)14:00~15:30に大津市のピアザ淡海とオンライン(Zoom)でハイブリッド開催される。セミナーは入門、実践、応用の3回構成を予定しており、実際に取り組む企業による事例紹介なども織り交ぜているという。
県は本事業で、過去1年分の排出量を可視化したうえで「拠点別・エネルギー種別排出量」などの分析データを提示し、中小企業が自社の削減可能性を把握できるようにする方針だ。事業期間は2027年2月までの予定で、ツールの導入を通じて企業側の初期負担を抑えつつ、経営判断に資するデータの提供を目指す。
地域産業への影響と実務的な利点
滋賀県は製造業が集積する内陸工業県であり、県全体の温室効果ガス排出に占める産業部門の比率が高い点が背景にある。今回の支援事業は、個別の中小企業が自社の排出構造を把握し、効率的な省エネ投資や燃料転換、再エネ導入の検討材料を得る機会になる。
事業の実務的メリットは主に三点だ。
- 初期コストの軽減:ツールを県が無償で提供するため、企業側の導入負担が小さい。
- 経営判断に直結するデータ:拠点別・エネルギー種別の排出量把握で、削減効果の大きい対策を優先的に選定できる。
- 認証取得の支援:中小企業版SBTの取得を実務面で伴走支援し、外部評価や取引先への説明力を高める可能性がある。
こうした利点は、特にサプライヤーとして大企業の脱炭素要求に応じる必要がある中小企業にとって、取引維持・拡大を左右する経営課題への対応力を高める効果が期待される。
申込みと今後のスケジュール
本事業の概要やセミナー、個別相談の申し込みはオンラインで受け付ける。第1回セミナーはすでに日程が示されており、その後も段階的に実践編・応用編を実施する予定だ。事業を通じて得られたデータは、県のCO₂ネットゼロ計画にも反映される見込みである。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象企業数 | 50社(e-dashツール提供) |
| SBT取得支援 | 5社(申請伴走) |
| 主な期間 | ~2027年2月(排出量可視化の支援提供) |
| 第1回セミナー | 2026年7月21日(ピアザ淡海・オンライン) |
中小企業にとっては、まず自社の排出量を把握することが取り組みの出発点になる。県と委託事業者は、可視化したデータをもとに具体的な削減策や投資効果の見積もり支援も行う予定で、将来的には地域全体のサプライチェーン脱炭素化につながることが期待される。
申込みや詳細は滋賀県の「しがCO₂ネットゼロナビゲーション(ゼロナビしが)」の専用ページで案内されている。対象となる事業者は、早めの情報確認と申込を検討するとよい。
(阿部 竜也/プレスリリースジェーピー滋賀県担当)