県と連携し地域観光の持続性を目指す
大分県別府市を拠点とする株式会社SEKIYA RESORTが、経済産業省・中小企業庁の選定する「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選出され、6月22日に佐藤樹一郎知事を表敬訪問して受賞を報告した。選定理由は主に人への投資・環境整備の取り組みで、同社が進める職場環境づくりや人材育成策が評価されたという。
表敬訪問では、同社の人材育成方針や採用手法、昇任制度など具体的な取り組みが紹介され、観光振興や地域経済に対する今後の貢献方針について意見交換が行われた。会社側は受賞を機に県や市と連携し、別府の観光資源を活用した地域活性化にさらに注力する意向を示している。
「旅で世界とヒトを明るくする」という理念のもと、地域に新たな価値を生み出す観光事業と、人材を大切に育む企業づくりを推進しています。
評価された取り組みと実務面の中身
今回の選定で示された同社の主な特徴は次の通りだ。
- 理念に基づく採用と教育で従業員の定着・育成を図る採用方針
- 自己申告制による昇任制度(主任・アシスタントマネージャー制度)の導入
- 複数の宿泊施設を運営し、受賞実績や外部評価(デザイン賞、旅館甲子園等)を背景に事業の多角化を推進
これらはいずれも宿泊業における人手不足や離職率の高さ、客単価向上の課題に対する実務的な解答だ。特に採用と昇進の制度化は、若年層や経験者の入職動機を高め、施設サービスの品質維持にも寄与する。
住民・労働市場への影響
別府市を含む県内観光業界は、温泉を中心に宿泊需要に依存する構造が続く。SEKIYA RESORTのような地元資本の事業者が人材育成や職場改善を進め、成功モデルを示すことは、以下の点で地域にとって意味がある。
- 雇用の安定化:昇任制度や教育体制は従業員の定着率を高め、地域の雇用基盤を強化する可能性がある。
- 観光品質の向上:サービスレベルの均一化・向上はリピーターや高付加価値客の誘致につながる。
- 波及効果:成功事例は地元の他事業者にも波及し、地域全体の働き方改革や人材確保策の触媒となり得る。
一方で、事業拡大に伴う人員需要の増加は、住民の働き方選択や住宅・通勤インフラの需給に影響を与える。県と市が連携して職業訓練や住環境整備を進める必要性がある。
会社の現状と今後の展望
SEKIYA RESORTは別府市内で3つの宿泊施設を運営し、過去に国内外の評価を受けてきた実績がある。近年は宿泊業にとどまらず、ホテルコンドミニアムの開発など新事業にも着手している。会社側は今回の受賞を踏まえ、地域との連携を深めながら持続可能な観光産業の構築を掲げる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社SEKIYA RESORT |
| 本社所在地 | 大分県別府市 |
| 選定理由 | 人への投資・環境整備の取り組み |
| 主な事業 | 旅館・ホテル運営、宿泊施設開発 ほか |
読者へ:利用・就業を検討する際のポイント
観光客や転職・就業希望者にとって、今回の受賞は判断材料になる。施設を利用する旅行者は、スタッフ教育が行き届いたサービスを期待できる一方で、繁忙期の混雑や価格変動には留意が必要だ。就業希望者は、昇任制度や教育体制の有無、勤務シフトや福利厚生の実態を面接で確認するとよい。
行政側には、成功事例を踏まえた中小観光事業者支援の拡充が期待される。具体的には人材育成支援、職住近接の住宅支援、業務のデジタル化支援などが挙げられる。
SEKIYA RESORTの選定は、別府の観光産業が抱える課題に対する一つの解答例を示した。今後、県内の他事業者が同様の取り組みを広げられるかどうかが、地域観光の持続性を左右するだろう。