コンビニ大手のローソンは、アバター開発のAVITA(アビータ、東京・目黒)と連携し、札幌市内の3店舗でアバター接客を開始した。今回の導入は北海道内で初めてで、店舗の人手不足を緩和すると同時に、来店客への案内やセルフレジの利用支援を遠隔から行う仕組みを試験的に本格運用する狙いがある。
導入の狙いと仕組み
アバター接客は、自宅や別拠点から勤務するオペレーターが店舗内のモニターに投影される分身(アバター)を通じて接客する方式だ。ローソンは2022年11月に実証実験を始め、これまで東北・関東・近畿・四国など計78店舗で展開してきた。過去の導入効果として、セルフレジ利用率が15%超向上し、店舗従業員のレジ業務にかかる時間を1店舗あたり平均約1.5時間以上削減したという数値が示されている。
札幌での対象店舗と想定される影響
今回アバター接客を導入した札幌の対象店舗は以下の3店である。
| 店舗名 | 市区 |
|---|---|
| ローソン札幌大通西十丁目店 | 中央区 |
| ローソン札幌南1東三丁目店 | 南区 |
| ローソン札幌南7条西一丁目店 | 中央区(南寄り) |
遠隔オペレーターが来店客にセルフレジの操作説明や店内案内を行うことで、従来は店員が割いていたレジ対応の時間を減らし、店内調理や売り場の補充、清掃などに人的リソースを振り向けられるのが導入側の主張だ。複数店舗を1人のオペレーターが同時に担当できる点も、現場の人手不足解消に資すると見込まれている。
住民にとっての具体的な影響
- セルフレジ利用の増加で会計の待ち時間が短縮される可能性がある。
- 対面での細やかな対応が必要な利用者(高齢者や視覚障害のある人など)にとっては、遠隔対応の受け止め方が分かれることが予想される。
- 店舗従業員はレジ以外の業務に集中しやすくなり、店内の衛生管理や商品補充が行き届く一方で、接客の人間味は減る場面が出るかもしれない。
特に札幌では高齢者の利用者が多い地域もあり、画面越しの説明が十分に伝わらない場合のフォロー体制が課題となる。自治体や事業者は、利用者への周知や店頭での補助策を検討する必要がある。
導入をめぐる留意点と今後の視点
ローソン側によれば、これまでの導入実績でセルフレジ利用率の向上や従業員の作業時間削減という効果が確認されている。しかし、札幌での本格導入が地域社会にどう受け入れられるかは、実際の運用と周知次第だ。次の点が注目される。
- 利用者向けの分かりやすい案内表示や操作説明の充実。
- 高齢者や障害のある利用者に対する対面サポートの確保。
- 遠隔オペレーターが対応できない事態への店舗側の対応フロー。
また、アバター接客は単なる省人化の手段にとどまらず、遠隔地の雇用機会を創出する可能性も指摘されている。一方で、地元でのパートやアルバイトの働き方や時間配分に影響を及ぼすこともあり、地域労働市場への波及効果を観察する必要がある。
札幌の利用者は、今回の導入店舗を日常的に利用する中で、セルフレジやアバターによる案内の有無、待ち時間の変化、店員が別業務に注力している場面などを体感することになる。市民生活に直結するサービス変化であるため、導入効果の定量的データや利用者の声を踏まえた改善が求められる。
ローソンは今後、札幌での運用状況を見ながら北海道内の展開を検討するとみられる。住民は利用時の利便性と安全性を注視し、必要に応じて店舗や市への意見表明を行うことが重要だ。