地域の“はたらく”をスポーツで伝える新企画
転職サービス「doda」などを運営するパーソルキャリア株式会社が、高知県へのU・Iターン促進を目的に、新たな情報発信企画を立ち上げました。企画の柱はスポーツを切り口にしたコンテンツ配信で、同社が運営するスポーツビジネスメディア「doda SPORTS」で展開されます。案内役には高知県室戸市出身で元プロ野球選手の小松剛さんを起用。県内のスポーツに関わる企業やチーム、地域活動に携わる人々を訪ね、働き方や暮らしの実際を取材して伝えていくとしています。
高知県側でも連携が図られており、7月には特設サイト「高知家ではたらく。」を公開済みです。今回のスポーツ関連コンテンツは、同サイトへの新たな入口を生み出す狙いがあります。高知はスポーツが盛んで、プロ・アマを問わず地域に根差したチームや、人材が地域を支える構図が存在します。スポーツ経験を生かした職域や、チーム運営に携わる仕事など、移住や地域定着に結びつく多様な働き方を紹介する意図です。
高知県には、地域に根差して挑戦を続ける元気で魅力的な企業や、県外から移住して活躍している人々など、多様なキャリアの可能性があります。今回の企画では、「スポーツ」という切り口から、そうした高知の魅力を掘り下げて発信します。
企画は単なるPRではなく、スポーツを通じた雇用確保や地域貢献の実態に光を当てる点が特徴です。たとえば選手経験を持つ人が地元でコーチやスクール運営、企業でのスポーツ関連ビジネスに転じる事例、地元企業がスポーツ活動を通して地域と接点をつくり人材確保につなげる取り組みなど、多面的な切り口で取材を進めるとしています。
第1弾・第2弾のテーマと今後の展開
発表によれば、当面の配信は複数回に分けて行われ、初回は「スポーツと人材確保を両立する企業の挑戦」、第2弾は「年間200回の地域活動から見えるスポーツチームの価値」といったテーマを掲げています。これらは、企業の採用戦略や地域スポーツの社会的役割を具体的に示す内容が想定され、移住希望者や地元での働き方を模索する若手に向けた情報提供が狙いです。
| 配信回 | 主なテーマ |
|---|---|
| 第1弾 | スポーツと人材確保を両立する企業の挑戦 |
| 第2弾 | 年間200回の地域活動から見えるスポーツチームの価値 |
背景と地域に与える影響
高知県は若年層や現役世代の流出やU・Iターンの促進が引き続き課題です。一方で、地元に根差した中小企業や自治体のスポーツ振興、移住者の活躍など、地域資源としての“はたらく場”は存在します。スポーツは地域コミュニティと接続しやすく、職や暮らしの魅力を伝えるメディア素材としても有効です。
今回の取り組みがもたらす可能性は次の通りです。
- 高知出身またはスポーツに関心のあるターゲットに、地域での働き方の具体例を提示すること
- スポーツを通じた企業の採用・地域連携の成功事例を広く紹介し、地元企業の人材確保に寄与すること
- 移住検討者がライフスタイルや仕事の現実を把握しやすくなることで、定着率向上につながること
ただし、情報発信だけで定住や就業に直結するわけではありません。求職・移住の実務面では住居の確保、子育て・教育環境、地域でのキャリアパスの可視化など、継続的な支援と受け皿整備が必要です。今回の企画は入口の拡充にはなるものの、県や自治体、受け入れ事業者による受け入れ体制の整備と連動してこそ効果が高まります。
住民・関係者が押さえておくべきポイント
地元の企業やスポーツ団体、教育機関が今回の取材対象になる可能性があるため、外部向けの働き方事例や地域活動の実績を整理しておくと、正確に情報を発信できます。具体的には次の点が重要です。
- 活動実績や地域貢献の具体例(年間イベント数、受益対象者数など)
- 採用やインターン受け入れの実態と求める人材像
- 移住希望者向けの生活情報(住居、医療、教育)を案内できる窓口の整備
パーソル側はスポーツに関心を持つ層を狙い、doda SPORTSを通じて高知の多様な働き方を見せることで、特設サイト「高知家ではたらく。」への誘導を図るとしています。具体的な配信スケジュールや取材先の一覧は今後の発表を待つ必要がありますが、地元企業や自治体にとっては、外部に向けた発信機会として活用できる余地がある取り組みです。
高知県の労働市場や移住促進を巡る議論は今後も続きますが、スポーツという地域資源を軸にした情報発信は、県外に向けた魅力提示の一手となり得ます。関係者は発信内容の整合性と、移住・就業を支える具体的な受け皿作りを並行して進める必要があります。
(福田 和也・高知県担当)