概要と公開日
高知県は2026年8月3日、観光の公式ファンサイト「高知の知(こうちのち)」を公開した。サイトの構築・運営支援はコミューン株式会社が担い、地元住民や県外のリピーターらが参加して高知の魅力を発見・発信するオンラインコミュニティを目指す。
サイトの主な機能と特徴
- 写真付きの投稿機能「みんなの旅レポ」で、ガイドブックに載りにくい地元目線の情報を共有できる。
- 旅行前の疑問を解消する「旅の相談所」で、先輩ファンや地元の声を参考にプランを作れる。
- 投稿やコメント、いいね等の活動でポイントが貯まり、ランク制度で特典(ステッカー、土佐手拭い、トートバッグ等)を用意。
- 既存の観光施策とも連動し、「龍馬パスポート」の券面画像申請で特別ポイントやデジタル認定証を付与する仕組みを導入。
「知れば知るほど、好きになる。高知の『知らなかった』がここにある」
よさこい祭りとの連動企画
公開に合わせ、よさこい祭りと連動した投稿企画を実施する計画が示されている。リリースでは、8月9日から開催されるよさこい祭りと連動した企画「よさこいレポート!よさこいの様子を投稿しよう!」を実施するとしているほか、8月6日からサイト内で同テーマの投稿企画を開始する旨の記載もある。現地で撮影した写真や参加者の思い出などを投稿することで、高知観光を盛り上げる狙いだ。
訪問者数の回復背景と今後の見通し
リリースは、高知県観光がコロナ禍を経て力強く回復している点を説明している。2023年に県外観光客数が472.2万人で過去最高、2025年は457.2万人で歴代2位となったことを挙げ、今後は2028年放送予定の大河ドラマ「ジョン万」やインバウンド需要の拡大が追い風になると指摘する。
| 年 | 県外観光客数(出典:リリース) |
|---|---|
| 2023 | 472.2万人 |
| 2025 | 457.2万人 |
地域への影響と住民向け実用情報
今回のコミュニティ型サイト開設は、観光客誘致だけでなく地元の商業者や観光関連事業にとっても意味を持つ。住民目線で考えると、以下の点が現実的な影響として挙げられる。
- 情報発信の増加による来訪者の分散化:ガイドブックに載りにくい地域の魅力が可視化されれば、従来の定番スポットに加えて周辺地域への来訪者が増え、商店街や飲食店、宿泊施設に波及効果が期待される。
- 交流による関係人口の増加:投稿や相談を通じた継続的な接点は、単発の観光に留まらないファン化を促進し、移住や長期滞在、リピーター増加につながり得る。
- 地域資源の露出と負荷管理の必要性:新たに注目される場所では来訪者数が急増する恐れがあり、自然環境の保全や交通・駐車場の整備、地元の受け入れ体制の準備が課題になる。
住民・事業者が実務的に注意すべき点は次の通りだ。
- 施設・店舗はSNSやサイト上の情報を更新し、営業時間や受け入れ状況を明確に示すこと。観光客の期待と実態のズレを減らす効果がある。
- 写真投稿が増える時期(祭礼シーズンや連休)には、地元自治体や観光関係者と連携して混雑対策やマナー周知を行うことが望ましい。
- 観光客が増加した際の消費を地域内につなげる工夫(地産品の提供や体験型プログラムの整備)を検討することが、持続的な効果を生む。
参加方法と特典
サイトのURLは https://kochinochi.kochi-tabi.jp/。投稿やログインなどの活動でポイントが付与され、一定ランクに達するとオリジナルグッズのプレゼントやデジタル認定証が得られる。リリースでは、登録月に1投稿以上した利用者を対象に毎月抽選で工芸品を贈るキャンペーンを予定しており、8月は土佐和紙ポストカード、9月は高知杉コースターが挙げられている。
また、「龍馬パスポート」を持つ利用者は券面画像を申請することでパスポートのステージに応じた特別ポイントを獲得できる仕組みもある。ポイント制度は参加の動機付けとして機能する一方、景品や認定の仕組みが地域の工芸・特産品の周知につながる可能性がある。
今後のポイントと見守る視点
今回の取り組みは、デジタルを通じて地域と来訪者を結び付ける新たな試みだ。重要なのは、増えた来訪者をどのように地域の利益につなげ、地域資源を守りながら持続的な観光振興を実現するかだ。地元事業者や自治体がサイトの動向を注視し、情報発信の協調や受け入れ体制の強化を図る必要がある。
高知の魅力は海・山・食・祭りと多様だ。公式のファンサイトが地元の生の声をどれだけ引き出し、県内各地の魅力を均等に伝えられるかが、地域経済にとっての鍵となる。住民や観光関連事業者は、新たな情報発信の場を活用しつつ、環境保全や混雑対策など現地での受け入れ準備を進めることが求められる。
(高知担当記者:福田 和也)