金沢駅西の複合施設、6年目で過去最多の来館者
金沢市広岡1丁目にある複合施設「クロスゲート金沢」の商業エリアが、開業6年目(2025年8月〜2026年7月)に過去最多の来館者数178万人を記録した。運営するオリックスグループの発表によるもので、開業以来設定していた来館目標の170万人を初めて突破した。
クロスゲート金沢は1・2階が飲食店などの商業ゾーン、上層階にホテルやマンションを配した複合施設で、2020年8月1日に開業した。新型コロナの影響で当初予定より開業が遅れた経緯があるが、感染症法上の位置づけが変わった以降、来館は回復基調をたどっていた。
回復の要因と新規テナント
オリックスグループ広報は、来館増加の要因として以下を挙げている。
- 2024年9月に開業した地場回転ずしチェーン「すし食いねぇ!」が国内外の観光客に支持されたこと
- 2025年12月に開店した薬膳スープ春雨専門店「七宝麻辣湯(チーパオマーラータン)」が地元客を中心に人気を集めたこと
さらに、1階には北陸三県で初めてとなる駅前店舗の「コメダ珈琲店金沢駅西口店」が、記事の日付に基づき今月19日に開業する予定である。閉店したスーパー「エムザデリマーケット」の跡地に入り、店舗面積により全106席を備える。運営側は観光客だけでなく地域住民の憩いの場としての定着を期待している。
空床の状況と今後の課題
クロスゲート金沢の全32区画のうち、報告時点で空き床は残り3区画となり、今年に入ってからもラーメン店や能登の特産品を扱う店舗など4店が新規開業している。過去の来館状況は、開業後の3年目までは140万人以下と低迷していたが、4年目に152万人、5年目に165万人、そして6年目に178万人へと推移した。
| 年度 | 来館者数 |
|---|---|
| 4年目 | 152万人 |
| 5年目 | 165万人 |
| 6年目 | 178万人 |
運営側は「魅力あるテナントの誘致や既存テナントの活性化を進める」としており、店舗構成の強化による滞在時間延伸や回遊促進を目指す考えだ。
地域への具体的な影響
金沢駅周辺の商業活性化は市中心部の賑わいに直結する。来館者増は以下の形で地域に波及する可能性がある。
- 周辺店舗・飲食店の売上向上と雇用増加の可能性
- 観光客の駅周辺での滞在時間延長による回遊ルートの拡大
- 空き区画の解消によるエリアイメージの向上と治安・安全面への好影響
一方で、来館者増に伴う交通混雑や駐車場需要の増加、平日昼間の混雑で地域住民の利便性が損なわれる懸念もある。特に駅前エリアは通勤・通学路としての性格も持つため、混雑対策や動線整備が課題となる。
住民向けの実用情報
金沢駅西口周辺を日常的に利用している住民にとって、次の点が留意点となる。
- 混雑時間帯:土日や観光シーズンは施設周辺の人通りが増える。通行や買い物は平日午前中が比較的余裕がある。
- 新店舗の利用:コメダ珈琲店金沢駅西口店は全106席でカフェ需要を見込むため、開店直後は混雑が予想される。
- 交通アクセス:駅前広場や歩行者動線の混雑に注意し、短時間の用事や荷物のある場合は時間帯をずらすと利便性が高まる。
「観光客はもちろん、地域の憩いの場として多くの人に訪れてもらいたい」と、運営側は期待を示す。
クロスゲート金沢の来館動向は、金沢市中心部の回復と連動した指標である。運営企業はさらなる集客策とテナント構成の最適化を掲げており、地場産業との連携や地域ニーズに応じた店舗誘致が今後の鍵となる。住民生活への影響を抑えつつ、地域経済の底上げにつながる運営が求められている。
(記者:木村 淳)