広島空港の国際線構成が変動
広島空港(広島県三原市)に大韓航空のソウル(仁川国際空港)直行便が2026年12月23日から就航することが、空港側の発表で明らかになった。一方で、既存の中国・上海便は2026年10月25日から運休するため、広島から中国への直行便はなくなる。地域の移動や観光、物流に関わる地元事業者や住民への影響が懸念される。
広島空港によれば、大韓航空の新路線は週7往復。既に就航しているLCC(格安航空会社)チェジュ航空と合わせると、韓国方面は1日3往復の運航体制となる見込みだ。空港広報担当者は、フルサービスキャリアの就航により「幅広いニーズに対応できる」と期待を示している。
「フルサービスキャリアの就航で、幅広いニーズに対応できる」— 広島空港広報担当者
今回の路線変更の背景として、報道は日韓関係の改善と日中関係の冷え込みを挙げている。報道に示された世論調査では、韓国に対する良い印象が高まっていることが指摘されており、韓国からの旅行需要ならびに日本からの韓国旅行の人気の高まりが就航の追い風になっているとの見方が示されている。
- 大韓航空:ソウル(仁川)—広島、週7往復、就航日2026年12月23日
- チェジュ航空:既存のLCC便と合わせて韓国方面は1日3往復体制
- 中国・上海便:2026年10月25日から運休、広島から中国への直行便はゼロに
広島空港は2021年に民営化されて以来、官民一体で国際線の誘致を進めてきた。近年は国際線旅客数が2年連続で過去最多を更新しており、国際線の拡大が地域振興に資すると期待が高かった。だが、今回の中国便運休は国際線構成の課題を浮き彫りにしている。
報道では、過去の経緯として昨年12月に大連と北京便が運休していることが示されている。県のデータとしては、2025年度における中国便の旅客数が国際線全体の1割強を占めたとされ、今年6月の上海便の搭乗率は90%超と高い実績があった点も報じられている。これらの数値からは、需要は依然として存在しているものの、政治的な要因や航空会社側の機材運用などが復便の見通しを難しくしている実情が読み取れる。
| 項目 | 状態(報道による) |
|---|---|
| 韓国便 | 大韓航空が12月23日就航、週7往復。チェジュ航空と合わせ1日3往復。 |
| 中国便 | 上海便は10月25日から運休。昨年の大連・北京便運休に続き、直行便はゼロ。 |
広島地域にとっての具体的な影響は多岐にわたる。観光業では中国からの訪日客が減少すれば、宿泊や飲食、土産物などの需要が落ち込む可能性がある。報道は、中国側が機材繰りを理由としていると伝えているが、政治的な要因も背景にあると指摘しているため、回復時期は不透明だ。島嶼部や県内の観光地が中国圏の個人旅行客や団体客に依存していた場合、経営面での打撃は無視できない。
一方で韓国便の就航は、ビジネス客や乗り継ぎ需要の拡大が期待されている。フルサービスキャリアの運航により、荷物規定やサービス面での利便性が向上することで、広島を訪れる韓国人観光客や広島発着で韓国を利用するビジネス客の取り込みにつながる可能性がある。ただし、空港広報も指摘する通り、「韓国便が増便しても中国便運休の代わりにはならない。本来は中国からも韓国からも来てもらえるのがいい」という課題は残る。
空港側は、2027年3月に予定しているターミナルビルの増改築工事の完成を見据え、国際線の成長路線を維持できるかが今後の焦点になると説明している。増改築は路線増を前提とした施設整備であり、国際線の復元・拡大を促す狙いがあるが、路線の採算性や外交・安全保障上の情勢変化が復便の可否を左右する。
地元事業者や自治体にとって当面の対応は、航空需要の変化を踏まえた代替策の検討や、韓国市場に向けた誘客・受け入れ体制の整備が求められる。県や観光関連団体は、広島発の新たな周遊商品や韓国からの誘客プロモーション、国内他地域との連携強化などで影響を緩和する必要があるだろう。利用者は運航スケジュールの変更や再開情報を広島空港の発表で逐次確認することが重要だ。
広島空港の今回の発表は、地域の国際交流と経済活動に関わる方針転換として受け止められる。復便の見通しが不明な中国線の扱いと、新設される韓国線の需要動向、2027年春のターミナル完成後の路線戦略が、今後の地域観光・産業政策に影響を与える見込みだ。