飲食店の食品ロス削減、県オリジナル箱を無償配布
福岡県は、飲食店で発生する食べ残しの削減を目的とした取り組みの一環として、県オリジナルの持ち帰り用ボックス「持って帰っていいと(eat)ボックス」を活用するモデル事業への参加店舗を募集している。募集期間は令和8年8月6日から同年9月4日までで、事業実施は10月1日から12月31日までの3か月間。応募はオンラインまたは申込書による郵送・メールで受け付ける。
ボックスは1店舗あたり30個を無償配付し、店舗・利用者双方に対して簡易アンケートを実施して、食品ロス削減効果や利用状況を把握する。対象は福岡県内で営業する飲食店(テイクアウト・デリバリー専門店は除く)。応募多数の場合は、今回初めて参加する店舗を優先する方針だ。
「食品ロスについて意識を高める事が出来る機会が出来て良かった」
この取組は令和7年度に始まり、前年度は131店舗がモデル店舗として協力。推計で約442kg(1769箱分)の食品ロス削減につながったと県は報告している。県は今回、デザインに障がいのある人の作品を用いた「まごころアート」を採用するなど、地域性と社会貢献性を意識した工夫も行っている。
事業の狙いと飲食店への影響
この事業は、飲食店と利用者双方の行動変容を促すことで廃棄される食品の量を減らすことを狙いとしている。飲食店にとっては、以下のような具体的な効果が見込まれる。
- 廃棄削減によるゴミ処理費用の軽減(店舗の声でも実感あり)
- 顧客サービスの向上—食べきれなかった分を持ち帰れる選択肢を提示できる
- 従業員への意識付けや教育の機会となる
一方で運用にあたっては、スタッフに対する持ち帰り案内の周知や、持ち帰り対応によるオペレーションの見直しなど、実務的な対応が必要となる。県が配るボックスはコンパクトなサイズ(幅140×奥行85×高さ58mm)で、持ち帰り用途に適する一方で、提供方法や衛生管理について事前にルールを整えることが推奨される。
参加店が行うこと・申請方法
実施期間中、モデル店舗はボックスを希望する客に提供し、店舗側と消費者側で簡単なアンケートに回答する。主なアンケート項目は、店舗側が「提供数(=食品ロス削減量)等」、消費者側が「持ち帰ってから食べるまでの時間」「印象」などを想定している。集計結果は県が事業評価や今後の普及策に活用する。
応募方法は次の2通り。
- オンライン申請フォームから応募(県の申請ページ)
- 応募申込書をメールまたは郵送で提出
モデル店への決定は9月上旬にメールで連絡される。問い合わせ先は福岡県環境部循環型社会推進課リサイクル係(〒812-8577 福岡市博多区東公園7-7、TEL: 092-643-3372、メール recycle@pref.fukuoka.lg.jp)。
昨年度実績と評価
県が公表した令和7年度の実績は次の通りで、一定の効果が確認されている。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 参加モデル店舗数 | 131店舗 |
| 削減推計量 | 約442kg(1769箱分) |
| 配付箱数(1店舗あたり) | 30個 |
モデル店舗からは、「スタッフや客の意識付けに寄与した」「ゴミ処理費用の削減につながった」「貸切やブッフェ形式での案内がしやすくなった」といった報告があり、県はこれらの声を踏まえて普及策や運用ルールの改善を図る考えだ。
地域目線での留意点と今後の展望
福岡県は飲食店の多様性が高く、業態ごとに課題や運用しやすさが異なる。個々の店舗が導入する際には、提供タイミングや案内文言、衛生面の確保、持ち帰りを促すタイミングといった「運用設計」が重要となる。また、忘年会シーズンを含む実施期間を設定していることから、宴会利用が多い店舗では取り組みの効果が出やすい一方、短時間での消費が多い業態では利用者の受け止め方に差が出る可能性がある。
県が目指すのは単発の配布にとどまらず、持ち帰り文化の定着と食品ロス削減の常態化だ。今回のモデル事業は効果検証を経て、来年度以降の配付拡大や広報、運用マニュアルの整備につなげる見通しだが、最終的には消費者と店舗双方の習慣化が鍵となる。
応募を検討する飲食店は、配付数やアンケート対応に伴う事務負担を踏まえつつ、取り組みが店のイメージ向上やコスト削減につながる点を試算してみるとよいだろう。県への問い合わせ先は上記の通りで、応募締切は9月4日。申請方法や詳細は県の配布資料と申請フォームを参照してほしい。
(文責:プレスリリースジェーピー福岡県担当記者 三浦 遥)