キャンピングカーで巡る「移動相談所」 紀南の駐車場募集
和歌山県御坊市の結婚相談所「スール」が、キャンピングカーを活用した移動式の結婚相談所サービスを始めた。県内では初の試みで、田辺・西牟婁や新宮・東牟婁など紀南地域を巡回しながら、面談や会員同士のお見合い、婚活イベントや飲み会の会場として機能させる計画だ。サービス運営側は、巡回の拠点となる駐車場の提供を呼びかけている。
移動相談所の利用時間は、土日や平日夜の約1時間程度を想定している。車内での面談や対面での出会いを軸に、地域の実情に合わせた柔軟な場の提供を目指す。運営側は、貸衣装店や保険代理店、工務店など、結婚を機に需要が見込める事業者との提携も期待しているとのことだ。問い合わせはスールの薮脇直子さん(090-5467-8236)へとされている(出典:紀伊民報)。
「貸衣装店や保険代理店、工務店など結婚を機に需要が生まれる事業者と提携できればうれしい」
この取り組みは、地域の人口動態が示す課題を背景にしている。新聞報道によれば、和歌山県内の出生数は2001年まで9千人超だったが、2024年には4,457人と半減以下にまで落ち込んだ。また、人口千人当たりの出生率は5.1、全国平均の5.7を下回る。婚姻件数は2,966組で、婚姻率(人口千人当たり)は3.4と全国平均の4.0より低い数値が示されている(出典:紀伊民報)。
| 指標 | 県内の数値(出典) | 全国平均(出典) |
|---|---|---|
| 出生数(年) | 4,457(2024年) | — |
| 人口千人当たり出生率 | 5.1 | 5.7 |
| 婚姻件数(年) | 2,966組 | — |
| 人口千人当たり婚姻率 | 3.4 | 4.0 |
数値は地域の将来に関わる重要な指標であり、出会いの機会づくりは地域対策の一つと位置付けられる。移動相談所は、中心市街地や駅前に足を運べない人、日中に時間が取りにくい働き世代、高齢化で地域の人的ネットワークが希薄になった地区など、さまざまな層に対して相談窓口を近づける可能性がある。
- 駐車場を持つ事業者や自治体、寺社などは、短時間のスペース提供で地域の出会い支援に協力できる。
- 貸衣装店や飲食業、保険業、建築関連などは提携により結婚後の需要に結びつく可能性がある。
- 参加を希望する住民は、事前に運営側へ問い合わせのうえ、見学や利用方法を確認することが望ましい。
地域での実施に当たっては、駐車場所の確保や周辺住民への配慮、車内での個人情報の取扱い、感染症対策やプライバシーの確保といった運営上の留意点がある。短時間とはいえ夜間の利用も予定しているため、照明や周辺の安全確保も実地運営では重要となる。
また、移動相談所が単体で出会いの機会を劇的に増やすわけではない。地域の婚活支援は、窓口の設置だけでなく、イベントの継続性や参加しやすい仕組みの構築、結婚後を見据えた生活支援や雇用、子育て環境の整備と連動する必要がある。今回の取り組みは「場」を持ち込む新しい試みとして、こうした複合的施策の一要素になり得る。
サービスの利用を考える住民や、駐車場提供や提携に関心がある事業者は、まずは運営側へ連絡して具体的な条件やスケジュール、運営ルールを確認するとよい。問い合わせ先はスールの薮脇直子さん(090-5467-8236)。地域の実情を踏まえた柔軟な運用が期待される一方、連携のあり方によっては地元事業者の販路拡大や地域コミュニティの活性化につながる可能性がある。
紀南の少子高齢化・過疎化が進む現状を受け、今回の移動相談所は住民の生活直結型の試みとして注目される。今後、巡回範囲や実施頻度、参加実績など運営状況が明らかになれば、地域支援策としての有効性や改善点が見えてくるだろう。住民や事業者、自治体がどのように関わるかで、この取り組みの地域への波及効果が左右されることになろう。
(出典:紀伊民報、配信日7月29日)