概要と開始時期
ツルハホールディングスとオムロンヘルスケアは共同で、家庭や店舗で計測された血圧のデータを活用し、ツルハグループに所属する管理栄養士が個別の生活習慣改善を継続的に支援する新サービスを2026年8月から開始する。初期フェーズでは38店舗(19地区)で順次導入し、将来的に全国展開をめざす。
サービスの仕組み
サービスは、オムロンの通信機能付き血圧計で測定した値をオムロンの健康管理アプリ「OMRON Connect」を経由して、沢井製薬が提供する「SaluDi(サルディ)」に自動で連携する仕組みを軸にする。利用者がアプリ上で店舗との連携操作を行うと、担当の管理栄養士が店舗側の専用画面でバイタル情報を閲覧できる。
通信機能を持たない血圧計を使う場合でも、利用者が「SaluDi」アプリに測定値を手入力すればサービスを利用できる点が特徴だ。
管理栄養士による支援の内容
管理栄養士は、利用者が登録した血圧の推移や測定の習慣などの記録を確認したうえで、個別の生活実態に沿った食事や運動などの改善案を提案し、継続的なフォローを行う。目的は、単に数値を下げることではなく、日常で継続しやすい実践可能な行動変容を後押しする点にある。
背景と社会的意義
日本国内では高血圧の患者や疑いのある人が多く存在する状況で、推計では約4,300万人にのぼる一方、適切にコントロールされている人は約1,600万人にとどまるとされる。自覚症状が少ないまま進行しやすく、脳梗塞や心不全などの重大な疾病につながる危険性があるため、日常的な血圧管理の習慣化が求められている。
今回の連携は、家庭での測定を支える機器とデジタルアプリ、そして地域に接するドラッグストアの対面支援を組み合わせる点で、一次予防や未病対策の現場に直結する取り組みだ。薬局・ドラッグストアに設置された対面の相談窓口が、日常生活レベルでの継続支援に結び付くことが期待される。
関係者のコメント
「高血圧の予防と改善につながる取り組みを開始できることを大変うれしく思います。」
「お客様との距離が近いドラッグストアだからこそ一次予防・未病への働きかけを行ってまいります。」
期待される効果と今後の展開
運用開始によって期待される効果は、血圧コントロールの改善に加え、利用者の健康意識向上や生活習慣病のリスク低減だとされる。事業者側は、サービス利用者の増加と実際の血圧改善を通じて健康寿命の延伸に寄与することを目標に掲げている。
また、オムロンヘルスケアは家庭用血圧計の普及を長年続けており、2025年9月には血圧計の累計販売台数が4億台を突破した実績がある。こうした機器普及のインフラと、ツルハの店舗網および管理栄養士の相談機能を組み合わせることで、地域密着型の血圧管理サービスを広げていく方針だ。
サービス開始時の店舗展開(初期)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 初期導入店舗数 | 38店舗 |
| 対象地区数 | 19地区 |
| ツルハドラッグ内の導入数 | 23店舗(10地区) |
利用方法と注意点
- オムロンの通信機能付き血圧計で測定したデータは「OMRON Connect」経由で自動連携される。
- 自動連携を利用するには「SaluDi」アプリ上で利用者が店舗との連携操作を行う必要がある。
- 通信機能のない血圧計は「SaluDi」への手入力でデータを登録できる。
編集部の視点:何が重要か
今回の取り組みは、医療機器とヘルスケアアプリ、店舗の専門職が連係するモデルケースになり得る点が重要だ。個人の測定データを地域の窓口であるドラッグストアが受け止め、専門職が継続支援を行う流れは、受診勧奨や早期発見につながる可能性がある。特に高血圧のように自覚症状が乏しい慢性症状では、日常の測定を継続させる仕組みが有効であり、今回の協業はその実現に向けた具現化といえる。
問い合わせ先(参考)
- サービス開始時期:2026年8月から順次
- 初期導入:38店舗(19地区)
- 利用に必要なアプリ:「OMRON Connect」「SaluDi」
生活習慣病対策の現場は、デジタル連携と対面支援を結びつけることで変化しつつある。今後、導入店舗の拡大や利用者データに基づく効果検証の公表が進めば、同様の連携モデルが他の小売や医療機関にも波及する可能性がある。