地元産原料生かし、2銘柄が金賞
筑波山麓で地ビールの醸造・販売を行う「つくばブルワリー」(つくば市筑波、ペブルス経営)が製造した2種類のビールが、国内最大級のクラフトビール審査会「ジャパン・グレートビア・アワーズ2026」(日本地ビール協会主催)で金賞を受賞した。受賞は2月の審査での評価に基づき、醸造会社の関係者が7月14日に市へ報告した。
金賞を受けた銘柄は「常陸の不死鳥ライスセゾン」と「月水石ヘイジー アイピーエー(GHAZY IPA)」。審査は外観、アロマ、フレーバー、ボディ、全体印象などの項目で行われ、受賞はケグ(樽)部門などのカテゴリーでの評価による。
- 受賞銘柄:常陸の不死鳥ライスセゾン、月水石ヘイジーIPA
- 審査会:ジャパン・グレートビア・アワーズ2026(日本地ビール協会主催)
- 報告日:2026年7月14日(醸造会社が市へ報告)
延時崇幸社長によれば、「常陸の不死鳥」はトロピカルでフルーティーな味わいが特徴で口当たりがとろりとしている一方、「月水石」はすっきりとした甘味とスパイシーさを併せ持つという。いずれも醸造所での人気が高く、地元の米や麦、柑橘などを積極的に使う取り組みが評価された。
「昨年銀賞だったものが、金賞をとれたのでとてもうれしい。ホップはニュージーランドのものを使っている。世界の審査会にも進出したい」
延時社長はまた、初年度の生産量が4万リットル、次年度の見込みが5万リットルで、現在の設備は最大で7万リットルまで対応可能としている。今後は生産を段階的に拡大しつつ、国内外での評価獲得や販売拡大を目指す意向を示した。
地域経済・農産物への波及効果
つくばブルワリーは醸造にあたり、筑波山麓のブランド米「小田米」や桜川市産の麦「ユメシホウ」、地域で古くから栽培される「福来みかん」など、地元産資源を取り入れている点が特徴だ。地元原料の採用は原材料調達を通じて周辺の農業者への新たな需要を生み、地域の農産物の付加価値向上につながる可能性がある。
市内の中小・地場メーカーにとって、地域の名を冠した商品が全国レベルの審査で評価されることは販路拡大や観光誘客につながる追い風となる。市側も受賞報告を受け、地域の酒類全体を盛り上げる取り組みに期待を寄せている。
市の反応と今後の展望
五十嵐立青市長は受賞を「つくば市にとって誇らしい成果」と評価し、同社の製品を応援する考えを示した。つくばブルワリーの社長が地元の酒造振興団体の会長も務めていることから、今回の受賞は単独の話題にとどまらず、市内外の酒造所をつなぐイベントやツアー等の取り組みにつながる可能性がある。
具体的な波及効果として考えられるのは次の点だ。
- 地場農産物の需要増加:原料採用の拡大で地元農家の販売先が広がる。
- 観光誘致:醸造所見学や地ビール試飲を目的とした観光客増。
- 雇用創出:生産量拡大に伴う人員需要の増加。
つくばブルワリー側は将来的な海外の審査会への参加も視野に入れており、国際的な評価が得られれば輸出や外客誘致にも弾みがつく。市や関係者は受賞を契機に、地域資源を生かした商品開発や連携事業を検討する必要がある。
消費者・住民への実用情報
住民や来訪者が受賞商品を手にするには、醸造所の直販や取扱店での購入が考えられる。醸造所は既に市内でファンを持つ商品を展開しており、これからの繁忙期には売り切れが発生する可能性があるため、購入や見学を予定する場合は事前の在庫確認や予約を推奨する。
また、イベントやツアーが実現すれば、地元の飲食店や観光施設と連携した周遊型のプランが増える期待がある。市民は地元産品を通じて地域経済の循環に参加できる点を意識するとよい。
今回の受賞は、つくばの地域ブランドの一端を担う成果であり、今後の展開次第ではさらなる効果が見込まれる。市と醸造所、農家、観光関係者が連携を深めることで、地域全体の活性化につながる可能性が高い。