倉吉駅周辺で単独のニホンザル出没、住民通報が急増
倉吉市のJR倉吉駅周辺の市街地で、群れからはぐれたとみられるニホンザルの出没が続いている。市への目撃情報の通報は8月だけで40件を超えており、市民生活や農作物への影響を懸念する声が上がっている。これを受け、市は従来の注意喚起にとどまらず、職員によるパトロールと爆竹などを用いた追い払いを行う方針を決めた。
出没が確認されたのは駅北側の日ノ丸自動車倉吉営業所(海田西町)敷地内や駅南口付近など。運行管理者や従業員が目撃、スマートフォンで撮影した映像も寄せられている。目撃されたサルはニホンザルとみられ、体長は約50センチ。6月以降、同地域で継続的に姿が確認されているという。
「15メートルぐらいまで近づいてもおびえる感じはなく、逃げようとしなかった」。市内で目撃した職員の証言では、果実を食べることに集中し、人に対して警戒心が薄い様子だった。
市の対応と住民への影響
倉吉市はこれまで防災行政無線で注意喚起を行ってきたが、市環境課は「人に慣れて定着してしまう恐れがある」として、対応を強化する方針を示した。市の説明によれば、農林・環境両課が協議のうえ、サルが潜んでいそうな場所を職員がパトロールし、発見した場合は爆竹などで追い払うことにした。爆竹は大きな音を伴うため、実施にあたっては時間帯などを配慮するとしている。
市はなお、イノシシやシカなどを対象とする有害鳥獣の捕獲事業は行っているが、ニホンザルは対象外であるため、捕獲ではなく追い払いを主眼に置いた対応になると説明している。
住民が取るべき注意点
- 果樹や家庭菜園の果実は屋内かネット等で覆うなど被害を避ける工夫をする。
- サルを見かけても刺激せず、餌を与えない。餌付けは警戒心の喪失と定着を招く。
- サルがいる場所では小さな子どもやペットから目を離さない。
現時点で人的被害の報告はないものの、市民からは「防災行政無線で放送するだけでは解決しない」「捕獲できないのか」といった声が寄せられている。環境課の担当者は、追い払いによりサルが人里への接近を避けるよう警戒心を回復させたいとの考えを示している。
背景と地域への影響
今回確認された個体は単独で行動しているとみられ、果実を食べる様子が市街地で撮影された。人里での出没が常態化すると、以下の懸念がある。
- 人への馴致:人の存在や餌に慣れることで、より市街地に定着する。
- 農作物被害:果樹園や家庭菜園での被害増加が想定される。
- 安全上のリスク:子どもやペットとの接触で事故につながる可能性。
市が取る追い払い策は、一時的に音で驚かせて市街地から離れさせることを目的としている。爆竹の使用は周辺住民への騒音や小動物への影響を考慮して時間帯に配慮するとされるが、実施の具体的日時や範囲については市の発表を注視する必要がある。
今後の見通しと住民への要請
当面は市職員のパトロールと爆竹による追い払いが中心の対応となるため、住民側も日常生活の中で注意を払うことが求められる。市は住民からの通報を踏まえて対応を強化しているが、次の点について住民の協力を求めている。
- サルを見つけた場合は市への通報を行うこと(目撃日時・場所の特定が対応の手がかりになる)。
- 餌付けや近づく行為を避けること。
- 夜間や早朝に果実が露出しないよう管理すること。
倉吉市中心部は商業施設や住宅が密集する地域であり、サルの定着は住民生活や観光地としてのイメージにも影響を与えかねない。市は今後も通報状況を踏まえて対応を続けるとしているが、住民自身の注意・協力が被害の拡大を防ぐ上で重要になる。
| 確認された事実 | 内容 |
|---|---|
| 目撃通報件数(8月) | 40件超 |
| 確認されている期間 | 6月以降 |
| 体長 | 約50センチ(ニホンザルとみられる) |
| 市の方針 | 職員パトロールと爆竹などによる追い払い(捕獲対象外) |
倉吉市内の該当地域を日常的に利用する住民は、最新の市からの情報や防災行政無線の案内に注意し、周囲で動物を見かけた際は不用意に接近せず市へ通報するよう心がけてほしい。
(取材・文=長谷川 豊)