東御の風土と暮らしを語る人材を育てる
長野県東御市は、地域の自然や歴史、食、ワインといった地域資源を来訪者に伝える「ローカルガイド」の育成講座を本格的に実施する。講座は基礎知識の習得にとどまらず、実地研修やガイディング(案内)体験、ツアー造成などを通して、実践的な案内力を養うことが柱だ。市は講座を通じて、訪れる人に東御市ならではの『物語』を届けられる担い手を増やすことを目指す。
なぜ今、ローカルガイドか
東御市はワイン用ぶどう畑や歴史的な町並み(海野宿)など、多様な観光資源を抱える一方、地域の魅力を言葉で伝える担い手の不足が指摘されてきた。単に景観や飲食を紹介するだけでなく、風土と農産物、暮らしの連関や地域に伝わる物語を語れるガイドが増えれば、滞在時間の延長やリピーターの増加、消費単価の向上につながる可能性がある。
講座の構成と実践性
講座は座学とフィールドワークを組み合わせた構成で、具体的には次のような研修項目が予定されている。
- ガイドに必要な基礎知識と案内技術
- 旅行者を安全に案内するための安全管理
- 地域資源を現地で学ぶ実地研修
- 旅行者へのガイディング体験
- 地域資源を生かしたツアーの企画・造成
単に講義を受ける形式ではなく、受講者自らが地域の魅力を組み立て、どのような言葉で届けるかを実践的に検討する点が特徴だ。市はこの過程で、地域内で活動するガイドの質を高めるとともに、地域ツアーの造成につなげたい考えだ。
日程と申込方法
受講検討者向けの初回ガイダンスは2026年8月17日午後7時30分からオンラインで開かれ、所要時間は約30分。参加できない場合は録画の視聴が可能とされている。募集期間は2026年8月17日から9月30日で、申込は東御市公式ホームページを通じて行う。問い合わせは東御市商工観光課(観光係・電話:0268-64-5895)へ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 初回ガイダンス | 2026/08/17 19:30〜(オンライン、約30分、録画あり) |
| 募集期間 | 2026/08/17〜2026/09/30 |
| 申込方法 | 東御市公式ホームページから |
| 問い合わせ | 東御市商工観光課 観光係(0268-64-5895) |
地域への具体的な影響
ローカルガイド育成は観光面だけでなく、地域経済や住民生活にも複数の影響をもたらす。
- 観光消費の拡大:質の高い案内によって滞在時間の延長や地元産品の購買機会増加が期待される。
- 雇用・副業機会の創出:高齢者やパートタイムで働く住民が担い手となることで、新たな就労機会になる。
- 地域文化の保存と継承:口伝や生活習慣に根差した知識を観光を通じて伝えることで、伝承のきっかけとなる。
「地域資源を自らの言葉で伝え、訪れる人に東御市をより深く知っていただくための担い手づくりを進めます。」
(出典:東御市発表)
参加を考える人への留意点
受講対象は東御市の地域資源や観光に関心のある人。実地研修や案内実習が含まれるため、歩行や屋外での活動に支障がないこと、また地域の歴史や自然について学ぶ意欲が求められる。オンラインガイダンスの開催時間や申込締切など、日程の確認を事前に済ませることが重要だ。受講後の活動について市がどのような支援(マッチングやツアー造成サポート)を行うかは今後の運用で明らかにされる予定で、関心がある人はガイダンスで具体的な運用体制を確認するとよい。
課題と展望
期待される効果は大きい一方で、実践段階での課題もある。受講者が継続的に活動できる仕組み(報酬体系、集客支援、保険や安全対策の整備など)が不可欠だ。また、外国語対応を含めた多様な旅行者ニーズへの対応力を高めるため、長野県が実施する「地域通訳案内士」育成講座との連携をどの程度深めていくかが鍵となる。市の発表では県の育成講座と連携する旨が明記されており、今後は国際的な誘客も見据えた人材育成が期待される。
東御市の取り組みは、地域の暮らしや生産の背景を物語として伝えるガイドを増やすことで、単なる観光スポットの消費ではない“体験型観光”の定着を図る試みだ。地域の魅力を日常の言葉で語れる人を増やすことが、訪れる人の記憶に残る旅づくりにつながる。
問い合わせ先:東御市商工観光課 観光係(電話:0268-64-5895)。申込や詳細は東御市公式ホームページを参照のこと。