田辺の夏、再びにぎわい創出へ
和歌山県田辺市の中心市街地で8日午後6時から9時30分まで、新たに生まれ変わった「ヤーヤーまつり」が開催される。従来の祭りを継承しつつ、盆踊りイベント「SASA盆」と飲食フェスを同時に運営する形で再編され、地域の関係者は開催準備の最終段階に入っている。
今回の催しは、田辺の夏の夜を盛り上げることを狙いに、地域の商店や団体、住民らが協力して企画されている。参加店舗や出店は111店に上り、飲食や物販、縁日が一堂に会する大型イベントとなる見込みだ。
中学生が考案した“梅メニュー”で出店
東陽中学校(田辺市神子浜)の3年生64人が、地元飲食店「福福」と共同で出店し、梅酢唐揚げと梅シロップかき氷を各500円で販売する。生徒たちはこれまでに梅の収穫から加工までを体験しており、出来た梅酢を唐揚げの味付けに活用するなど地場資源を生かした商品開発を行った。
「ヤーヤーにはさまざまな店があるけれど、梅のメニューは見たことがない。さっぱりとしていて暑い夏にぴったり。今までは遊びに行くだけだったけど、今回は受け入れ側になる。200~300食を完売させたい」
出店は生徒たちの地域貢献活動の一環。2年時に行った立志式を契機に、地域への恩返しや貢献を目的に検討を重ねてきたという。学生が主体的に参加することで、若年層の地域関与を促す狙いもある。
伝統と新要素を融合した盆踊り「SASA盆」
盆踊りイベント「SASA盆」は元田辺中央病院前の駐車場で実施される。伝統的な盆踊りに加え、Jポップなどの楽曲を取り入れて世代を越えた参加を促す構成だ。飛び入り参加も可能で、地域の踊り手と来場者が一体となる場を目指す。
実行委員会(代表:佐藤芳邦)は、協賛企業や個人名を約100個のちょうちんに手書きして会場に掲示する取り組みを行っている。漢字やアルファベットなどを意識しながら一文字ずつ丁寧に仕上げており、寄付や協力への感謝を可視化する工夫となっている。
運営体制と期待される効果
従来のヤーヤーまつりは昨年の第50回を最後に一度終了したが、白浜・田辺青年会議所(JC)が引き継ぎ、地域団体と連携してイベントを再編した。特設ステージではよさこいやバンド演奏も予定され、盆踊りや屋台と合わせて来場者を幅広く誘引する仕組みだ。
関係者は今回の開催を通じて、以下のような効果を見込んでいる。
- 中心市街地の夜間来訪者増加による商店の売上回復
- 中学生や若年層の地域参加促進と次世代の担い手育成
- 地域内外からの来訪者による観光周遊の起点形成
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日時 | 8日 午後6時〜9時30分 |
| 会場 | 田辺中心市街地(元田辺中央病院前駐車場等) |
| 出店数 | 111店 |
| ちょうちん数(協賛名表示) | 約100個 |
来場者への注意と実務的情報
夜間開催のため、来場時は以下の点に留意したい。
- 会場周辺は混雑が予想されるため、公共交通機関や徒歩での来訪を推奨。
- 飲食物の提供が多く、ゴミの分別や持ち帰りに協力を。会場にはゴミ箱が設置されるが、混雑時は処理が遅れる場合がある。
- 屋台やステージのスケジュールは当日変更される可能性があるため、現地の案内表示に従うこと。
実行委員の佐藤代表は「多くの協力のおかげで開催できる。ちょうちんは感謝の気持ち。やぐらを囲んでの踊りだけでなく、特設ステージを設けてよさこいやバンド演奏もある。皆さんと一緒に盛り上がりたい」と話しており、市民と訪問客が一堂に会する地元行事としての復活に期待が集まる。
地域の夏の風物として培われてきた要素を残しつつ、新たな世代や観光客を取り込む形で再出発する今回のヤーヤーまつり。出店の数や参加層の広さから、田辺市の中心市街地における賑わい再生の試金石と位置づけられるだろう。
(岡田 美穂/プレスリリースジェーピー和歌山県担当記者)